IPO株の攻略&裏ワザ情報!

証券会社に口座を開設したら
「立会外分売」「IPO」「貸株」もやってみよう!

2013年5月22日公開(2022年3月29日更新)
ザイ・オンライン編集部
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ネット証券で、国内現物株に関わる取引・サービスは、通常の現物株売買だけに限らない。たとえば、ディスカウントされた価格で株を購入できる「立会外分売」や、株を保有しているだけで金利がもらえる「貸株」サービスなど。いずれも、投資初級者にとってもそれほどハードルは高くないので、やってみないのはもったいない!

ネット証券によって扱っている取引・サービスには差がある

 ということで、今回取り上げる取引・サービスは、「立会外分売」「IPO」「単元未満株取引」「貸株」の4種類。いずれも総合口座を開設していれば利用できる(申し込みなどは別途必要の場合がある)。

 各社の取り扱い状況は、下の表のとおり。4種類の取引・サービスをすべて利用できるのは、SBI証券マネックス証券の2社のみで、あとは各社によって利用できるものが異なっている。

 そこで、記事を読んで利用してみたいと思った取引やサービスが、現在口座を開設しているネット証券になければ、他の証券会社にも口座を開いて使い分けることを検討してみてもよいかもしれない。

■国内現物株に関連する各証券会社の取引・サービス
証券会社名 立会外分売 IPO 単元未満
株取引
貸株 その他、備考
マネックス証券
(ワン株)
SBI証券
(S株)
PTS取引(夜間取引)
松井証券
(預株制度)
単元未満株は売却のみ
カブドットコム証券 ×
(プチ株)
丸三証券 ×
楽天証券 × 単元未満株は買取請求のみ
ライブスター証券 × 単元未満株は売却のみ
SMBC日興証券
(ダイレクトコース)
×
(ミニ株投資)
×
岡三オンライン証券 × ×
GMOクリック証券 × × 単元未満株は買取請求、売却のみ
むさし証券 × × 単元未満株は買取・買増請求のみ
内藤証券 × × 単元未満株は買取・買増請求、売却のみ
東洋証券 × × 単元未満株は買取・買増請求のみ
エイチ・エス証券 × × 単元未満株は買取・買増請求、電話での売却のみ
安藤証券 × × 単元未満株は買取・買増請求のみ
※2017年5月17日現在。「単元未満株取引」で「△」のネット証券は、売却、買取、買増にのみ応じている。

 では、ここからは1つひとつの取引・サービスの概要やメリットを詳しく見ていこう。

買付手数料不要&ディスカウント価格で株が買える「立会外分売」

 「立会外分売」とは、上場会社が大株主などの保有株を、取引所の取引時間外(=立会外)に不特定多数の投資家に売りに出すこと。株主を増やしたり流動性を向上させたい、といった目的で実施されることが多い。

 この立会外分売の魅力は主に2つ。

1.購入の際に買付手数料がかからない
2.安く買うことができる

 2については、立会外分売での購入価格は、分売実施日前日の終値から2~5%程度ディスカウントされるのが一般的だからだ(ディスカウント率は銘柄によって異なる)。

 購入後は、通常の現物株取引と何ら変わらない。そのまま保有してもいいし、購入したその日以降に売却してもよい。売却する場合は、通常の取引手数料がかかる。

 立会外分売を取り扱っているのは、SBI証券松井証券マネックス証券丸三証券ライブスター証券楽天証券など。参加するには、各社のサイトで「立会外分売」のページを開き、実施予定の銘柄などを確認して申し込むこと。申し込み数が多ければ抽選になる。

 安く買える上に手数料もかからないというと、すぐに飛びつきたくなる人もいるかもしれないが、買った後はあくまで通常の株と同じ。上がる可能性もあるが、下がる可能性もある。申し込みの前に、立会外分売を行なう銘柄の値動きや業績などは必ずチェックしておくこと。

大幅な株価上昇が期待できる!?「IPO(新規公開株)」

 未上場の企業が証券取引所に上場する際に、新たに株式が公募されて、それが証券会社を通じて投資家へ配分されることを、「IPO(新規公開株、株の新規公開)」という。

 「IPO」の最大の魅力は、なんといっても株価の大幅な上昇。公募価格は割安に設定されていることから、上場時の初値が公募価格を大きく上回ることが多いためだ。

 たとえば、2013年4月25日に上場した「オークファン(3674)」の公募価格は2600円だが、これに対して初値は1万480円。なんと4倍以上の上昇となった(ちなみに、5月17日の終値は1万3000円とさらに上がっている)。

 もちろん、IPO銘柄が必ず大幅上昇するということはなく、初値が公募価格を割り込んだり、初値が付いた後、どんどん下がっていく銘柄もある。しかし、アベノミクスで株式市場全体が上昇していることもあり、昨年末以降、IPOは再び活況を呈している。

 IPOに申し込むには、通常はまず需要状況を見るための「ブックビルディング」に参加。これが申し込みを兼ねる場合が多い。その後、正式な発行価格の条件が決まり、各ネット証券で購入希望が販売株数を上回っていた場合には抽選が行なわれるという流れになっている。IPOで購入した株式は、上場後いつでも売却可能だ。

 IPOを扱っているネット証券は多数あるが、取扱い銘柄数にはかなり差がある。各社とも過去の扱い実績が見られるので、IPOを重視するなら扱い銘柄数の多いところを選ぶとよいだろう。

 また、購入希望者が多い場合の対応も各社で異なり、松井証券マネックス証券のように完全抽選制のところもあれば、過去の取引金額やこれまでIPOに外れた回数で当選確率がアップするというところもあるので、こちらもよく確認しておきたい。

 最新のIPO情報については、以下の記事にくわしく載っているので、興味のある人は参照して欲しい。

【最新のIPOスケジュールはこちら!】
IPOスケジュール一覧

限られた資金で、欲しい銘柄が購入できる「単元未満株取引」

 「単元未満株取引」は、名前の通り、1単元に満たない株数でも株を売買できるというもの。その最大のメリットは、少額の資金でも欲しい銘柄を購入できることに尽きるだろう。

 株価3万8900円(5月17日終値)、1単元=100株という「ファーストリテイリング」(9983)の株を購入する場合で見てみよう。

 ●通常購入の場合:
 3万8900円×100株=389万円必要(別途手数料がかかる。以下同)

 ●1株から購入できる「単元未満株取引」の場合:
 3万8900円×1株=3万8900円でOK。
※1株から購入できるのは、SBI証券、岡三オンライン証券、カブドットコム証券マネックス証券丸三証券

 ●1単元の10分の1単位で買える「ミニ株投資(単元未満株取引の一種)」の場合:
 3万8900円×10株=38万9000円でOK。
※「ミニ株投資」ができるのは、SMBC日興証券

 株価の高い銘柄(値がさ株)を買いたい人にはありがたい取引だが、注意点もいくつかある。まず、単元未満株の保有では株主総会での議決権がなく、通常は株主優待ももらえない(配当相当分は、保有株数に応じてもらえる)。また、指値での購入もできない。

 さらに、取引手数料は各社とも通常の現物株取引とは異なる体系で、もし1単元まで買い増した場合には通常の取引に比べてかなり割高になる。よく理解した上で利用してほしい。

株を保有しているだけで毎月金利がもらえる「貸株」サービス

 さて「貸株サービス」は、これまで見てきた他の3種類とは根本的に異なる。株の取引ではなく、保有している株式を証券会社に貸し出すことで金利を受け取れるというサービスだからだ。

 いわば、「銀行預金の株式版」。しかも、金利はメガバンクの定期預金金利(1年もので0.025%)よりもずっと魅力的で、最低でも年0.1%、最高ならなんと5%にもなる。

 配当や優待などが目的で長期保有する予定の銘柄や、(今の時点ではあまりないかもしれないが)塩漬けになっている銘柄は、貸株サービスの利用を検討してみるとよいのでは?

 貸株に出していても、通常通り売り注文も出せるし、設定しておけば優待や配当の権利を得るための期間には一時的に貸株から外すこともできる。銘柄ごとに貸し出す・貸し出さないの設定もできるので、株主番号が変わると受けられない場合がある長期保有優遇の株主優待銘柄などは、貸し出さないといった選択も可能だ。

 現在、このサービスを提供しているのは、SBI証券カブドットコム証券マネックス証券の3社。なお、最初に掲載した表には松井証券もあるが、松井証券の「預株制度」は少々仕組みが異なっていて、預株料がもらえるのは預けている株券に逆日歩が発生したときのみ。預ければ必ず金利がもらえるわけではないので注意したい。

【※関連銘柄の株価チャートはこちら!】
◆オークファン(3674)
◆ファーストリテイリング(9983)

■「IPO株が当たらない!」という人は、まずこちらの記事へ!
⇒IPOに当選して儲けたいなら「主幹事証券」を狙え! 通常の引受証券の50~100倍も割当がある主幹事と主幹事のグループ会社の攻略がIPOで勝つ秘訣!

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【2024年版】本気でIPO当選を狙うなら、真っ先に押さえておきたい!
IPO[主幹事]の多いおすすめ証券会社

◆SMBC日興証券
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
19社
52社
24社
47社
26社
80社
10%:1人1票の平等抽選
最大5%:「ステージ別抽選」
※1
341万
【ポイント】
大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。
※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。
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◆SBI証券
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
21社
91社
13社
89社
21社
122社
60%:1単元1票の平等抽選
30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分
10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分
1169万
【ポイント】
ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。
※SBIネオモバイル証券、SBIネオトレード証券、FOLIOの口座数を含んだSBIグループ全体の口座数。
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※ 主幹事数、取扱銘柄数はREITを除く。口座数は2023年12月末時点。
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【SMBC日興証券】
IPOの主幹事数が業界トップクラスで
2022年には24社のIPOの主幹事を務める
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