世界投資へのパスポート
【第389回】 2015年10月26日公開(2015年11月23日更新)
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「世界投資へのパスポート」

著者・コラム紹介

世界投資へのパスポート

広瀬隆雄 ひろせ・たかお
三洋証券、S.G.ウォーバーグ証券(現UBS証券)、ハンブレクト&クィスト証券(現J.P.モルガン証券)を経て、2003年、投資顧問会社・コンテクスチュアル・インベストメンツLLCを設立。長年、外国株式関連業務に携わっており、特にBRICsをはじめとした新興国市場に詳しい。米国カリフォルニア州在住。

広瀬 隆雄

大型株の相次ぐ好材料で上値を追うNY市場 
火曜日のアップルの決算に注目する理由とは?

<今回のまとめ>
1.アマゾン・ドットコムはAWS部門が好調
2.マイクロソフトは新しい開示方法でクラウド戦略を明確化
3.アルファベットも好調、自社株買戻しを発表
4.マクドナルドは店舗に活気が戻った
5.FOMCは利上げなしの線が濃厚
6.火曜日のアップルの決算に注目

先週の米国株式市場は大幅高

 先週の米国株式市場は数々の好材料が重なり大幅高となりました。週間ベースでダウ工業株価平均指数は+2.52%、S&P500指数は+2.07%、ナスダック総合指数は+2.98%でした。

 マーケットが強かった理由は(1)決算発表が好感されたこと、(2)欧州中央銀行のドラギ総裁が必要であれば緩和措置を取る用意があると発言したこと、(3)中国人民銀行が利下げを発表したこと、によります。

大型株が相次いで好決算を発表!
チャートの形がよい銘柄が続々出てきた

 先週はナスダック総合指数が他の主要株価指数のパフォーマンスを上回りました。その理由はアマゾン・ドットコム(ティッカーシンボル:AMZN)マイクロソフト(ティッカーシンボル:MSFT)アルファベット(グーグルから社名変更、ティッカーシンボル:GOOGL)といった大型株が相次いで好決算を発表したことによります。

【アマゾン・ドットコムの決算】
アマゾン・ウェブ・サービスが好調

アマゾン・ドットコム(ティッカーシンボル:AMZN)の決算はEPSが予想-15¢に対し17¢、売上高が予想249.1億ドルに対し253.6億ドルでした。とりわけ営業マージンが今回もプラスだったことを投資家は好感しています。

 ユニット成長率も底打ち後、さらに勢いを増している観があります。

 また比較的マージンが高いことで知られるアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)部門の売上高は予想を上回る+78%の20.9億ドルでした。AWSの営業利益は+432%の5.21億ドルでした。

 アマゾン・ドットコムの株価は新高値をつけました。

【マイクロソフトの決算】
予想を超える数値に株価は上昇

マイクロソフト(ティッカーシンボル:MSFT)の決算はEPSが予想57¢に対し67¢、売上高が予想204億ドルに対し216.6億ドルでした。

 同社は今期からセグメント情報の開示の仕方を変えました。これは同社が最近、クラウド戦略を積極的に押し進めており、その進捗の様子をよりわかりやすく投資家に伝える意図があります。それらは(1)プロダクティビティ&ビジネスプロセス部門(「Office」など)、(2)インテリジェント・クラウド部門(サーバ製品とサービス、エンタープライズ向けサービス)、(3)モア・パーソナル・コンピューティング部門(「Windows」、「Surface」、スマホ、ゲーミング、サーチ)の三つです。

 注目されたインテリジェント・クラウド部門の売上高は59億ドル(+8%)でした。為替要因を除いた成長率は+14%でした。

 マイクロソフトの株価もきれいにブレイクアウトしています。

【アルファベット(Googleの新社名)の決算】
500億ドルの自社株買いを発表

アルファベット(ティッカーシンボル:GOOGL)はグーグルの新社名です。同社の決算はEPSが予想$7.20に対し$7.35、売上高が予想185.5億ドルに対し186.8億ドルでした。

 売上高成長率は+13%でした。またドル高要因を除く売上高成長率は+21%でした。

 アグリゲート・ペイド・クリックは+23%でした。(2Qは+18%)

 広告単価の指標であるグーグル・ウェブサイトでのアグリゲート・コスト・パー・クリックは-16%でした。メンバー・ウェブサイトでのアグリゲート・コスト・パー・クリックは-4%でした。

 トラフィック・アクイジション・コストは21%でした。これは2Qの23%から少し改善しました。

 またアルファベットは500億ドルの自社株買戻しを発表しています。

 アルファベットの株価は700ドル付近にあったこれまでの上値抵抗線を上に破っています。

【マクドナルドの決算】
過去2年間で米国の既存店売上比較は初めてプラスに

 決算が良かったのはネット株だけではありません。先週、本コラムでとりあげたマクドナルド(ティッカーシンボル:MCD)の決算も立派でした。EPSは予想$1.28に対し$1.40、売上高は予想64.1億ドルに対し66.2億ドルでした。

 グローバルでの既存店売上比較は予想+2%に対し、結果+4.0%でした。すべてのセグメントにおける既存店売上比較はプラスでした。

 米国の既存店売上比較は+0.9%でした。これは過去2年で初めてです。

 注目された「オールデイ・ブレックファスト」に関する経営陣のコメントですが、まず来店客からの反応は良かったです。キッチンの負担は増えたものの賃金のベースアップで店員の士気は高まっており、店舗に活気が戻ったそうです。

【今週の株式市場のみどころ】
28日のFOMCでは利上げなしと市場は予想

 今週は10月28日(水)に連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されていますが、市場参加者の中に利上げを予想している人はほとんどいません。これは今回のFOMCでは記者会見が予定されていないからです。

 もうひとつの注目イベントは10月27日(火)引け後に予定されているアップル(ティッカーシンボル:AAPL)の決算発表です。コンセンサス予想はEPSが$1.87、売上高が509億ドルです。

 前回の決算発表ではiPhoneの販売台数が予想を下回り、株価が売られました。今回は9月上旬に発表された新製品、iPhone6Sの売れ行きが注目されます。ちなみに発売最初の週末は1300万台売れました。これは予想の1000万台を上回りました。

 その後、iPhone6Sにはデバイスによって電池の寿命にばらつきがある問題が発覚しました。とりわけ日本での売れ行きに前回ほどの勢いがないと報じられています。

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