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日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険、11月4日に上場した郵政3社の今後はどうなる?年内の動向と長期保有の可否を合わせて予測!

2015年11月6日公開(2022年3月29日更新)
ザイ・オンライン編集部
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11月4日にゆうちょ銀行(7182)かんぽ生命保険(7181)、上場しない日本郵便を加えた3社の持ち株会社である日本郵政(6178)の郵政3社が上場した。3社合計の売り出し総額は、約1兆4000億円にも上る。3社とも公募価格を上回ってのスタートとなった上に、株式市場の需給悪化の懸念も表面化せず、意外にも日経平均も堅調だ。さて、今後の郵政3社の株価はどう動くのか。

大口の売りが出ないため年内は上昇!?
長期では日本郵政とかんぽ生命が魅力大

 この3社の中でも持ち株会社である日本郵政(6178)に注目するのが、BNPパリバ証券日本株チーフストラテジストの丸山俊さんだ。

 「ゆうちょ銀行(7182)かんぽ生命保険(7181)の株の売却した利益で、日本郵政株全体の10%程度に当たる政府保有株を、日本郵政(6178)は自社株買いして消却する予定です」

ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の売却益は、持ち株会社の日本郵政の利益になり、その利益で政府保有の株の自社株買いや利益成長のための投資を行なう予定だ。


 自社株買いにより、1株当たりの純資産も1株当たり純利益も上昇するのだ。さらに、今期予想の配当額で計算した配当利回りは1%台だが、来期は配当性向を現状の約25%から50%以上に高める方針なので、配当額が年率換算で、3%超と高利回りとなる点も魅力的だ。

 マーケットコメンテーターの岡村友哉さんは、郵政3社の株は2015年内は上昇が続くと予想している。

「債券に近い性格で利回りが高い7月のトヨタAA種類株は、売り出された5000億円に対し、4~5倍の申し込みがありました。高利回りで、安全性が高いと見られている郵政3社の株もトヨタ(7203)の種類株同様、個人投資家の人気を集めるでしょう」

 加えて、新興株によくあるケースだが、上場後に大口の投資家による売りの影響で、需給が悪化し、株価が大きく下落する場合がある。

「郵政3社は政府か日本郵政が大株主なので、特定の株主による大口の売りが出ません。むしろ、IPOに当選しなかった投資家の買い需要のほうが強いと見ています」(岡村さん)

 そのため、岡村さんは、郵政3社の年内の株価は、好調が続くと予測している。しかし、岡村さんは2016年以降については株価調整を予測。

「いったん買いたい人が買ったあとは他の銀行や生保との冷静な比較で売り圧力が強くなるでしょう」(岡村さん)

 一方で、丸山さんは、日本郵政(6178)かんぽ生命保険(7181)は長期的な成長のポテンシャルは大きいと見ている。

NTT(9432)の上場後の株価動向などから、郵政3社の株に対して悲観的な見方もあります。しかし、規制に保護されていたNTT(9432)はその後の市場開放と競争激化で収益が悪化したのに対して、日本郵政3社の場合は、業務の規制緩和が与党内で議論されています。上場をきっかけに経営の自由度が高まれば収益改善の可能性があります」(丸山さん)

 実際、上場後の規制緩和により海外企業を買収するなど、収益力を高めたJT(2914)は株価が4.5倍になり、JR東日本(9020)も株価は上場後に2.5倍に。

市場開放による競争激化で規制に保護されていたNTTは下げたものの、JTやJR東日本などは、規制緩和で着実に成長継続し、株価は大きく上昇している。特にJTは海外企業の買収などで安定成長が続く。


日本郵政(6178)は郵便事業の収益環境が厳しく、政治の思惑に振り回される可能性もあります。しかし、金融子会社2社から郵便局の窓口で預金や保険などを取り扱う代理手数料が年1兆円を超えている点や、余剰資金や遊休資産を有効活用した企業のM&Aなどによって企業価値向上を図っていくでしょう」(丸山さん)

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