本格的な消費不況が百貨店のみならず、総合スーパー(GMS)を揺さぶり始めた。

 イトーヨーカ堂の2009年度上期(3~8月)業績が、創業以来、初めて営業利益ベースで赤字に転落する見通しだ。

 同じGMS業態のユニーやダイエーは、すでにこの第1四半期(3~5月)に赤字を計上、上期も赤字の見通しである。

 不振の最大要因が衣料品の売り上げ減。7月の既存店売上高は、ヨーカ堂、ダイエー共に食品が3~4%減に対して衣料品は16%減だった。食品の粗利益率は20%台であるが、衣料品は40%台と高いだけに、業績への影響は大きい。

 打開策として、ヨーカ堂は下期に大幅な組織再編に乗り出す。

 これまでの組織は、首都圏であれば、東京西地域、千葉地域、神奈川地域、埼玉地域と大きく4ゾーンに分け、売り場編成や商品政策(MD)を統括してきた。

 このため、小型店は大型店のミニチュア版のようなつくりとなってしまい、商品構成も似通っていた。これを今度の組織改編で、大型店、標準店、小型店といった店舗フォーマットで分けて、個店ごとに品揃えの強弱をつけ、衣料や住関連をテコ入れする。

 もう一つの大きな課題は、地方店である。

 前期(09年2月期)のヨーカ堂の営業利益は95億円であったが、全国に約180ある店舗のうち、地方の57店舗が約60億円の赤字を出した。

 首都圏の大型店舗が利益を捻出し、地方を支えているというのが同社の現状だ。

 今後3年間で不採算店20店を閉鎖する方針だが、これは過去のスクラップ・アンド・ビルドのペースと同程度。地域経済の一端を担うといった使命もあり、ドラスティックな閉鎖やリストラには踏み切っていない。

 本格的な業績回復には、地方店こそ単店ベースで黒字化させる道筋を示さなければなるまい。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 須賀彩子)

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