大成・大林組と鹿島・清水の明暗分かれる、ゼネコン“本丸”の建築に迫る危機写真はイメージです Photo:PIXTA 

上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析する人気連載「ダイヤモンド決算報」。今回は大成建設、鹿島、大林組、清水建設の「ゼネコン」大手4社を取り上げる。建設業界では建設資材価格の高騰が長引き、人手不足には歯止めがかかっていない。足元ではゼネコンに仕事を発注するデベロッパーが建築コストが見合わず計画を中断するケースまでも出てきている。危機をどう乗り越えるのか、決算の数字を把握しておこう。(ダイヤモンド・ライフ編集部 松野友美)

大成、大林組は増収増益だが
鹿島は減益、清水は減収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のゼネコン業界4社。対象期間は2024年7~9月期の四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・大成建設
 増収率:21.0%(四半期の売上高4952億円)

・鹿島
 増収率:マイナス1.9%(四半期の売上高7084億円)

・大林組
 増収率:12.1%(四半期の売上高6659億円)

・清水建設
 増収率:マイナス11.9%(四半期の売上高4364億円)

 ゼネコン業界の大手4社では、大成建設、大林組が前年同期比で増収増益、鹿島は減益、清水建設が減収となった。

 大成建設は前年同期比で2割以上、大林組は同比1割以上の増収となった一方で、鹿島は微減、清水建設に至っては1割以上の減収だった。四半期の売上高の推移に差が付いた原因は何か。

 次ページ以降では各社の増収率の推移を紹介するとともに、増収率が最も高かった大成建設と、増収率のマイナス幅が最も大きかった清水建設の2社の業績について詳しく解説する。