海外の投資家も呆れる
「仏作って魂入れず」の状態
今回、条件面で60%も上回るNH-2の提案を拒否し、AG2案を採用した理由について、UFHDの経営陣は未だ公表していないが、記者会見で問われた際に、(1)NH-2からは現にTOBがかかっていない、(2)NHCとさが美の間に信頼関係がない、の2点に言及している。また、さが美からは、ウエブサイト上で、以下のリリースがなされている。
《「当社においても、当該提案内容を検討しつつ、ユニー・ファミリーマートHDにおける当該提案の検討、協議等の進捗状況に応じて、当該提案に関する協議等を進めることを検討しておりましたが、ユニー・ファミリーマートHDは、平成28年10月11日付「株式会社さが美に対する公開買付けに関するお知らせ」にて公表のとおり、平成28年10月11日開催の同社取締役会決議において、同日現在ニューホライズンキャピタル株式会社又はその関係者による公開買付けが現に開始されておらず近い将来にこれが開始されるとの見込みもないこと、同社とさが美の経営陣との間で十分な信頼関係が構築されていないことその他の諸状況を総合的に判断して、AG2号投資事業有限責任組合による本公開買付けに係る契約を解除しない旨が決議されておりますので、お知らせいたします。」》
これら2つの理由づけは、両社のアドバイザーである、本邦でも特に一流と言われる2つの法律事務所や、本邦トップクラスの証券会社の担当者が考えたものだろうが、的外れないし虚偽であり、まったく理由になっていない。
まず、取締役の善管注意義務、すなわち、株主利益・企業価値の最大化を図るべき義務は、NH-2が対抗的な公開買付けの届出を行うか否かにかかわらず、当然に発生する。よって、両社はNH-2との協議を通して両提案の比較検討をする法的義務を負っているのだが、今回はその努力を一切放棄した。
しかも、NH-2が公開買付できない理由は、NH-2からの度重なる要請にもかかわらずUFHDとさが美が話し合いに応じなかったことによるものなので、TOBが不可能になった責任は、ひとえに、さが美及びUFHDの側に帰するものだ。
具体的には、NHCがプレスリリースしているように、UFHDと被買収会社であるさが美の同意に基づく取引実行のために必要となる「公開買付の実施及び株券の応募に関する契約書」、「債権譲渡契約書」等と、それらを前提とした「公開買付届出書」、及び、さが美との間で締結予定の「資本業務提携契約書」等の締結に向けての話し合いを求めてきたにもかかわらず、両社はこれに応じようとしないため、やむをえず、話し合いを促進する一助とすべく、NH-2からUFHDに対し、これら契約書等に関するドラフトまでを送付し、検討を依頼していたのだ。



