前回の「夏休み旅行先で病気!健康保険証がないとどうなるか」では、旅先で健康保険証を持たずに医療機関を受診した場合の対応先を紹介した。
日本国内では、旅先で全額自己負担した医療費は、健康保険に「療養費」の申請をすれば、後日払い戻しが受けられる。
では、海外旅行先で現地の病院やクリニックを受診した場合はどうなるのだろうか。
海外で支払った医療費は
「海外療養費」で取り戻せる
JTBの「2017年夏休み(7月15日~8月31日)の旅行動向」によると、この夏、海外旅行に出かける人は前年よりも3.4%増えて273万人。国民の休日に「海の日」や「山の日」が導入され、長い休みが取りやすくなったころもあり、北米やヨーロッパなどを行き先に選ぶ人が増えているという。
何事もなく無事に帰国できればいいが、思いがけず病気になったり、ケガをしたりすることもあるだろう。そもそも健康保険は日本の制度なので、外国で保険証を見せてもなんの効力もなく、海外での医療費は全額自己負担になる。だが、健康保険には「海外療養費」という制度があり、帰国後に申請すると「療養費」と同様に医療費の一部を払い戻してもらうことができるのだ。
ただし、利用にはいくつかのルールがある。順番に見ていこう。