──そもそも、膜方式の大型化は可能なんですか?

 技術的にはできるんですよ。大型化は、筒状の浄水部材の数を増やすだけでいいからです。電池と一緒。浄水装置そのものを大きくするわけじゃなくて、数を増やすだけだから、必要なのは基本的にプラントエンジニアリング的なノウハウなんです。ラックのレイアウトとか、電源から配管をどう組むかとかね。このノウハウは十分持っている。

イノバの買収で
世界最大のごみ焼却発電企業に

──海水淡水化プラントで狙う市場は中東とのことですが、もう一つのメイン事業であるごみ焼却発電プラント事業ではどの地域で拡大を図りますか?

 グループ内で住み分けをしています。日立造船はもともと、イノバ社(AE&E Inova AG。旧フォンロール社)からライセンスを買ってごみ焼却発電プラントを展開してた。当時のテリトリーは、日本と韓国、台湾、中国くらい。でも10年12月に私どもがイノバの買収を決めて、完全子会社にしたわけです。

 今は、イノバが展開していた欧州、中東、米国、オーストラリアでは子会社化した後も引き続き日立造船イノバ(Hitachi Zosen Inova AG。買収後に社名変更)が拡大し、日立造船本体は先ほど申し上げた東アジアに加え、ベトナムやマレーシア、タイ、インドなどの東南アジア、南アジアで展開することにしています。

──イノバの買収で、日立造船グループは世界最大のごみ焼却発電企業となりました。ノウハウを共有してさらなる成長を狙うなら、日立造船イノバを本体に取り込むべきでは?

 欧州では長いこと「フォンロール」「イノバ」って名前で仕事をしてきており、ブランド力があるから本体に取り込んでいないんですが、技術、設計、調達など、ノウハウはすでに本体と共有しています。人の交流もしてますし、運営では一体化してるんです。