小室 実際、夫は官僚なので国会の大臣答弁を書いていたんですけど、そんなふうに言い方を変えてみた。そうしたら、長男は絵本で出てくる立派なおひげが生えて冠をかぶっている大臣みたいなものをイメージして、「へー、大臣がパパに聞きたいことがあるんだ!パパすげー」となりました(笑)。それまでは、「仕事で遅いパパ、悪い」みたいなイメージを持って、パパのことを嫌いになりかけていて。それはママを愛しすぎているからなんですけど。ママへの愛がパパへの恨みというか怒りになっていたのだと思います。

「親は自分たちより仕事が重要」
と子どもに思わせてはダメ

青野 それ、全国的に起きてるようなことじゃないですか。

小室 全国的に毎日起きていると思います。毎日1人で孤独に育児をしていたら、大きな独り言の愚痴を言ってしまうんですよね。ママの心の中だけにとどめておけというほうが酷ですし。でも、全国の父親だって、社会の長時間労働環境の中で仕方がなかったのだけど、子どもはそれが父親の意思だと思っているところが一番つらいのです。

 父親にとって、「自分たちより仕事が重要だったんだ」と捉えている。父親には選択肢が一切なかったのだとわかると、「お父さんもつらかったのかな」などとわかるのですが。子ども時代にはわからないので、すごく傷つき、働くことに不安を持つのも当然ですよね。

青野 本当に、働くことをもっと多様で楽しいものにしていきたいですよね。そして、さらにもっとダイバーシティの感じをつくりたいんですよね。男とか女とか、分けることすらつまんないという感じで、もっとぐしゃぐしゃっと。

小室 サイボウズなら、その境地にまでいち早くたどり着いて、新しい世界を見せてくれると思っています。これからも期待しています。今日は本当にありがとうございました。

青野 こちらこそ、ありがとうございました。


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