国を挙げての働き方改革スタートから1年。その実現のために中心的な役割を担った加藤勝信厚労大臣が感じている、手ごたえと課題とは

働き方改革関連法が施行されて約1年。いよいよ中小企業への時間外労働上限規制もスタートするなど、日本の働き方は今、大きな変革期を迎えている。この間、行政の中心的な立場から働き方改革の実現に携わってきたのが、加藤勝信・厚生労働大臣である。株式会社ワーク・ライフバランスの小室淑恵社長が、法改正が目指す意図や日本社会にもたらされる未来などについて、加藤大臣と存分に語り合う。(まとめ/アスラン編集スタジオ 渡辺稔大、撮影/内藤洋司)

働き方改革関連法
施行までの多難な道のり

小室 2014年、NHKの番組『日曜討論』でご一緒したのが、最初でしたよね。当時、初代内閣人事局長でいらっしゃっいました。

加藤 そうそう。あのとき、小室さんの意見と私の意見が違って、ぶつかったんじゃないかな。詳しいことは忘れてしまいましたが。

小室 確かにそうでした。5年前はすみませんでした(笑)。

 この5年で日本社会は大きく変わってきて、「働き方改革」がまさに企業や国家の戦略として語られるようになりました。ターニングポイントだったと思うのが、2014年。女性官僚たちが霞が関の働き方改革を求めて立ち上がって提言書をつくり、それを受け取って検討を開始されていたのが、当時内閣人事局長だった加藤大臣でした。あの時点ですでにそういう取り組みを始められていたのが、印象に残っています。

加藤 そうでしたね。

小室 その後、2015年に女性活躍担当大臣、16年から働き方改革担当大臣になりました。考えてみれば、この国の働き方改革・女性活躍についてずっと担当されてきたことになります。大臣になられてから、今日まで成し遂げられたことについて、改めて振り返っていただきたく思います。

加藤 最初に大臣を拝命したのが一億総活躍担当であり、併せて女性活躍担当なども担わせていただきました。当時「一億総活躍ってなんだ?」と話題にもなりましたが、私としては、女性も男性も、高齢者も若い人も、障害や難病などいろいろな状況がある方々も、それぞれの想いや夢を実現し、力を発揮できる社会をつくろうということで進めてきました。

 女性活躍は、安倍政権のスタート時から重要な課題として掲げ、取り組んできたテーマでもあります。そこにはいろいろなアプローチがありますが、特に「女性が活躍できる社会は、経済が活性化する社会である」というロジックで捉えていこうとしました。