働き方改革の三敵「社内ルール・時間泥棒・年功序列」の倒し方

「働き方改革」には
三つの敵がいる

 みなさんこんにちは、澤です。

「働き方改革」がキーワードになった今年、このテーマで講演することがとても多く、私が所属する日本マイクロソフトの働き方改革の事例をあちこちで紹介しています。いろいろな人とこのトピックについて話をするうちに、たくさんの気づきを得ることができました。

 特に気になるのは、日本企業特有の様々な習慣やルールなどが、「働き方改革」の大きな障害になっていることです。今回は、そんな「働き方改革の敵」といかにして対峙すればいいのか、皆さんと考える機会にしたいと思います。

●第一の敵:「不要なルール」

 皆さんの会社には、「理由は不明だけどずっと続いているルール」は存在しませんか? なぜそんなルールがあるのか、もはや誰も理由も何もわからないけど、とにかく存在しているルールのことです。

 ある会社では「スマートフォンを机の上に出して仕事をしてはならない」というルールがあり、別の会社では顧客対応するわけでもないのに「ワイシャツは白無地でパターン織のものは不可」というルールがあるそうです。

 上記の例は、あまり生産性には影響がありませんが、ある企業の若手社員が話してくれた内容は、少々問題であると感じました。

「うちの会社はフレックス制度があって、11時から15時のコアタイムを守れば、勤務時間を前後させてもよい、と就業規則に書いてあります。ただ、なぜか私の部署は9時出社が強制されていて、フレックス出勤が認められていません。理由を誰に聞いても『昔からそうなっているから』の一点張り。私の乗る路線は9時に出社をしようとすると非常に混雑するので、できれば少し後ろ倒しにしたいのですが、それは認められません。ぎゅうぎゅう詰めの電車に乗って出勤すると、疲れてしまって午前中は仕事に集中できません。じゃあ、早く来ればその分早く帰れるか、というとそういうわけでもない。さらに、早出しても出勤は9時からの扱いになるので、1時間はそのままサービス残業と同じことになってしまうのです。こんなルール、本当に納得できません」