働き方改革で、何より難しいのは「評価」――。住友生命は、その評価制度に関して、斬新な独自の動きを進めている。「生産性ポイント」の導入だ。業務効率化に関しても、「20%スタート・80%クロージング」など、ユニークな施策を次々と打ち出し、実行に移している。株式会社ワーク・ライフバランスの小室淑恵社長が、トップとして働き方改革を牽引する橋本雅博社長と対談を行い、イノベーティブな「スミセイのワークスタイル」に迫る。(まとめ/アスラン編集スタジオ 渡辺稔大、撮影/鈴木靖紀)

働き方改革で「チャラ男」
をつくると業績アップ!?

住友生命の信念「評価制度に踏み込まない働き方改革は本気じゃない」が生まれるまで

小室 住友生命では以前から、トップダウンで働き方改革に取り組んでこられたとうかがっていますが、特に2018年度以降は「WPI(Work Performance Innovation)プロジェクト」として取り組みを加速されています。2018年には健康増進への取り組みに応じて保険料が変動するという画期的な新商品“住友生命「Vitality(バイタリティ)」”も発売され、働き方改革とイノベーションが連動している印象を受けます。運動したり、健康的な生活を送ったりすると保険料が下がるという、画期的な商品を売り出せた源泉は何だったんですか。

橋本 実は「Vitality」はチャラ男(お)が見つけてきた商品なんです。

小室 チャラ男!?

橋本 そう。チャラ男というのは、会社の仕事ではあんまり目立ちませんが、外に行くとやたら人付き合いがうまくて、色々な情報を仕入れてくるようなタイプの社員のこと。ある日、そういうチャラ男の1人が「南アフリカに、健康増進への取り組みに応じて保険料が変動する商品があるみたいですよ」という情報を持ってきたんです。最初は「何を言っているんだろう」と。

小室 チャラ男の言うことを信じていいのか、不安になりますよね。

橋本 でも、やたらとプッシュしてくるから「じゃあ1回行って確かめてきなさい」と。

小室 フットワーク軽く、現地に飛んでいって、一番に版権を押さえてきたわけですね。