スウェーデンの
自動車メーカーらしい戦略
確かに、ボルボ・カーズのメーカー戦略としては「地球環境への影響を低減して未来の都市をクリーンにする」というスウェーデン固有の文化が背景にある。そもそも年金制度の充実や男女雇用平等化など、スウェーデンは世界に先駆けた動きが定着している。木村社長もボルボのビジョンやスタンスを「スウェーデンの自動車メーカーらしい戦略だ」と評する。
ボルボの全電動化戦略を具体的にいえば、先述したように、19年から発売する新型車に純粋なガソリン車、ディーゼル車はなくなるが、この内燃機関を活用したマイルドハイブリッド車、プラグインハイブリッド車を展開する。これに21年までに3種のボルボモデルEVと2種のポールスターブランドのハイパフォーマンスEVを投入するということなのである。
ボルボは、この電動化に向けてすでに110億USドル(約1兆3000億円)を投資して開発した新たなアーキテクチャーを展開。新世代の「Drive-Eパワートレイン」開発・生産工場への投資、エンジンとモーターを組み合わせた「ツインエンジン」で電動化への対応に将来の自動運転を見据えたテクノロジーを進めてきている。
ボルボといえば、元来北欧のスウェーデンで乗用車・トラック・船舶エンジンなどのコングロマリットだったが、1998年に乗用車部門が米フォード・モーター資本となり、フォードのプレミアム・オートモーティブグループとなった。その後、フォードの業績不振により、2010年に中国の浙江吉利控股集団が買収したことで、ボルボ・カーズは中国資本の傘下となっている。
ちなみにボルボ・トラックは、スウェーデンのトラックメーカーとして残っており、日本の旧日産ディーゼル工業を買収して「UDトラックス」としてスウェーデンのボルボ・トラックの傘下としている。



