ボルボの
コーポレート精神の徹底化
このように、ボルボは、乗用車とトラックが分離し、乗用車のボルボ・カーズが中国資本の傘下となったものの、北欧自動車メーカーとしてスウェーデンで開発・生産を続けている。最近では中国企業が親会社ではあるが、欧州における北欧自動車メーカーとしての存在感を強めている。
独特のスカンジナビアデザインと、従来から定評のあった安全性能への取組みやDrive-E新世代パワートレイン開発で電動化対応と連動する自動運転への先進的な取り組みが評価されているのだ。
特に安全については強いこだわりがあり、ボルボ創業者の「クルマは人によって運転され使用される。従ってボルボの設計の基本は常に安全でなければならない」の言葉が設計・開発の基本にある。
その安全対応についても「2020年までに新しいボルボ車に搭乗中の交通事故による死亡屋や重傷者をゼロにする」ことを宣言しており、これに向けて安全性能技術の進化を目指している。
今回の19年からの「全ボルボモデル電動化宣言」も、ボルボのコーポレート精神の徹底化ということでもあろう。
もちろん、中国の電動化の国策への対応ということもあるが、マイルドハイブリッド車からプラグインハイブリッド車への切り替えに電気自動車の開発と、段階の道筋を明確にしたことになる。
7月末から出荷された米テスラの大衆向けEVモデル3や今回の日産の新型リーフ発売の動向も注目していかねばならないが、世界的に見るとようやく本格的なEVが普及してきたところだ。
今後も電動化は段階を踏んで進むだろう。そのような視点で考えれば、「EV大転換時代」の本格的な到来は、ハイブリッドからPHEVも含む選択肢を広げる中で、25年以降から30年代と見るのが妥当であろう。
(佃モビリティ総研代表 佃 義夫)



