元売→大卸→中卸→売人と流れ
末端価格は輸入時の10倍近くに

「俺の場合、一般人の客にも売るが、末端の売人も俺のとこに買いにくるから、いわば『中卸』と『末端売人』の中間的立ち位置。俺の手元にモノが届くまでには、数段階の業者がいる」

 ここで覚醒剤の流通経路がどのようになっているのか説明しておこう。

 A氏を始め、筆者がこれまで取材してきた密売関係者たちの話を総合すると、だいたい次のような流れになる。

 まずは「元売」(輸入元)と呼ばれる組織が、海外の密売組織から“商品”を買い入れる。大手の「元売」は全国で数団体しかないと言われ、その全ては暴力団員、または暴力団関係者で構成される闇の組織である。

 次に「元売」からキロ単位で商品を買い入れ、全国の「卸業者」たちに転売するのが「大卸」で、「元売」がこれを兼ねている場合もある。仕切っているのはやはり暴力団関係者だ。

 ここからさらにA氏のような「中卸」と呼ばれる中間密売人に流れ、末端の売人たちはそこから仕入れる。そして、ようやく一般の「ユーザー」のもとに商品が届くことになるのだ。

 当然、流通段階によって、仕入れ値は異なってくる。各段階で利ザヤが上乗せされていくので、グラムあたりの末端価格は、輸入時の価格の10倍近くに膨れ上がる。A氏によればこんな具合だ。