もっとも、こうした解説手法には、「まず、全体を俯瞰するべきだ」という反論もあるかもしれません。
確かに、「木を見て森を見ず」という戒めはありますし、ゴール地点は「森」でなければなりませんが、ことディープラーニングに関しては、「木」を理解することなく、いきなり「森」を理解するのは簡単なことではないと私は考えます。
そして、この木の中でも、もっとも重要な「大木」こそが、「重み付け」といわれる技術なのです。
まずは、ここをきちんと理解するところから始めましょう。
ディープラーニングのモデルは
ヒトの脳である
まず、AIの基礎になる計算モデルですが、これを「ニューラルネットワーク」、略して「NN(neural network)」と呼びます。
このニューラルネットワークは、シナプス間を電気信号が飛び交うヒトの脳からヒントを得て作成されています。
そのために、「人工的なNN」ということで、「ANN(artificial neural network)」と呼ばれます。
このニューラルネットワークは、ニューロンという、特定の刺激を一定量受け取ると、「発火」するスイッチのような仕組みをベースにして、それを複数連結したネットワークによって構成されています。
下の図が、ニューラルネットワークのイメージです。
この図は、もちろん簡素化したもので、実際にはニューロンの数は何百万以上にもなることもあります。