ドラッカー理論で見た米国企業ランキング【ベスト50社】

2018年7月5日公開(2018年11月7日更新)
ダイヤモンド・オンライン編集部

 つまり、打力は他チームを圧倒していてすごい印象を受けると思いますが、一方で守りの投手はコマが不足していて、優勝に苦労していました。けが人が少ない、攻守のバランスがよい、といったチームが優勝しているように、企業もバランスが問われているわけです。ですから、アマゾンの場合、あるシーズンは今回のように成績が良くても、来年以降は、どうなるのかわかりません。

――それが先ほどの6社のように5部門すべてで安定しているということですね。この会社の中で、ここはすごいという会社があれば教えてください。

 アップルです。特にプライバシーや個人情報の問題です。例えば、今のスマホには所有者の個人情報が詰まっています。もし、ある人が犯罪を起こしたとしましょう。米連邦政府はその人の情報を得ようとしますが、アップルはそうした場合に入手されないようiPhoneの構造を複雑にしたのです。なぜなら、アップルは個人情報を守ることが会社としての使命、責任であることを十分認識しているからです。

上位50社のうち半数近くが
1部門で平均以下

―― 一方で、ランキング上位50社を見ると、半数近くの企業において1部門で平均以下になっているケースが散見されました。どのようにみていらっしゃいますか?

 例えば、アメリカの2大キャリアであるAT&T、ベライゾンがありますが、顧客満足度はスコアが50を下回っていても、非常に大きな会社です。これは両社が提供する携帯電話サービスに関しては気に入らないけれども、携帯(スマホ)なしでは生活できないために、利用せざるを得ないからです。そのため、顧客満足度のスコアが低くても、他の部分で上手くやっていれば、企業として大きくなりうるということです。

――ランキングを発表しての感想を教えてください。

 完璧なスコアはありません。常によくするため、あるいは効果的にビジネスを行うための手段の一つであることです。すべての側面で平均を超えてバランスが取れていれば、それだけでも非常に良い会社ということになります。

 わが研究所ではスコアに関して人に対する側面、つまり顧客に関すること、従業員に関することに加え、社会的責任を重視しています。企業関係者は、自社が作っている商品が利用者に影響を及ぼすということを、きちんと把握してほしいと思います。今回、このデータを見て自社の課題が見えてくることでしょう。その課題をクリアしていけば、今回挙げた理想の6社のようになるのではないでしょうか。

※ドラッカー研究所は、ドラッカーの5つの原則の1つである「顧客満足」の測定において、CS(顧客満足度)に関する国際的な調査機関のJ.D.パワー社と提携し、データ提供を受ける予定。また近い将来、日本の企業を対象にした「マネジメントランキング」を発表する構想がある。

(企画&取材協力/JDパワー、文/ダイヤモンド・オンライン編集部 後藤新平)

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