事業の「選択と集中」、どう考えるべき?
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小宮コンサルタンツ代表 小宮一慶
小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 供給過剰の現代では、あらゆる業界で、「QPS(Quality:品質、Price:価格、Service:サービス)」の組み合わせが他社より優れたものがお客さまに選ばれ、それ以外は淘汰されていきます。

 経営者は、QPSで差別化できなければ、事業から撤退する判断も下さなければなりません。特に、ヒト・モノ・カネといった経営資源が限られる中小企業では、QPSで差別化できる得意領域に事業を絞り、不振事業から撤退する「事業の選択と集中」が重要です。

 しかし、既存事業からの撤退は容易ではありません。特に創業時から続けている事業や将来的に黒字転換が期待できると思い込んでいるような事業は、経営者や社員の思い入れ、思い込みが強く、撤退の判断基準をどこに求めればいいのか迷います。

 経営学者のピーター・ドラッカーは、撤退の判断基準として「今からならあえてその事業を始めるかどうか」を挙げています。つまり、昔からやっている事業と同じ事業を今からでも新規事業として始めるかどうかを判断基準として、「やる(続ける)」「やらない(廃止する)」を判断せよというわけです。

中小企業の「事業の撤退基準」は、
事業の多い大企業とは異なる

 確かに、その通りだと思います。ただその基準は、多くの事業を展開する企業には当てはまりやすいと言えますが、中小企業の場合は、大企業と違って事業をいくつも持っていないことが多いのです。そのため「今からその事業を始めたい」とは思わないけれど、今やめると会社の存続に関わることだってあるでしょう。