総裁選で大義名分なき「省庁再々編」が急浮上した理由

2018年9月11日公開(2018年9月11日更新)
ダイヤモンド・オンライン編集部

 安倍政権に重用されているリフレ派の政策ブレーンには、消費増税に慎重な考え方が根強い上、異次元緩和の効果が限界にきている中で、今後は公共投資増などの財政政策をアベノミクスの推進力にすべきという思惑がある。

 だが、財政健全化にこだわる財務省は最大の“抵抗勢力”。そのためこれを解体し、弱体化させようというわけだ。

 一方で「防災省」の創設は、総裁選に立候補した石破茂・元幹事長が同様の構想を掲げていることを意識して、「争点つぶし」の狙いがあるといわれている。

 こうした話の真意はいずれも不明だ。だが、「省庁再々編」が現実味を感じさせるのは、安倍政権を支え、「安倍3選」後も政権中枢を担うであろう人物たちが、背後で“関与”していることがちらつくからだ。

甘利元経再相“復帰”の舞台か
ちらつく首相の盟友や側近の影

 中間報告をまとめた甘利・元経済再生担当相は第1次安倍政権以来、主要閣僚として成長戦略やTPPなどの目玉政策を担当してきた首相の盟友だ。志公会(麻生派)に属し、麻生太郎政権時代には行政改革・公務員制度改革担当相として辣腕をふるった。

 第3次安倍政権時代の2016年1月、都市再生機構(UR)に対する口利き疑惑で大臣を辞任したが、「安倍3選」後、「省庁再々編」を復帰の舞台にするのではという見方がもっぱらだ。

 安倍首相の最側近で、経済産業省出身の今井尚哉首相秘書官の存在もちらつく。

 今回の「再々編」では、「農水省の経産省への吸収」も取りざたされているが、成長戦略で掲げる「農産物輸出1兆円」を実現するため、今井氏が農水省の“産業官庁化”に執心しているとされるからだと言われる。

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抵抗で「一強」の基盤が崩れる可能性

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