安倍首相写真:首相官邸HPより

数々の政治ドラマを生んできた自民党総裁選が9月7日告示、20日投開票の日程でスタート。ダイヤモンド・オンラインでは選挙戦に合わせて、総裁選の舞台裏や関連する経済政策などについて連載を展開します。第1弾は“安倍3選”を決定づけた党内の派閥力学です。(「週刊ダイヤモンド」副編集長 山口圭介)

「すでに勝敗は決している」――。日本の金融市場に大きな影響力を持つ外資系金融機関の幹部がそう予測するのは、究極の権力闘争の場である自民党総裁選の行方だ。

 次の首相を決める総裁選は金融市場に与えるインパクトも大きい。「仮に安倍首相が負けて経済金融政策の路線変更があるとなれば、相場は激変する」(同幹部)からだ。僅差の勝利で安倍首相の求心力が低下した結果、人気取りで追加の景気浮揚策を打ち出す可能性も注視しているという。

 外国人投資家にとっても一大イベントの総裁選だが、大半の外国人は日本の政局に疎いはず。にもかかわらず、今回の総裁選予測は簡単だったようだ。

 というのも、連続3選を目指す安倍晋三首相と石破茂元幹事長との一騎打ちとなった今回、安倍陣営は党内7派閥のうち、すでに5派閥から支持を取り付けており、焦点は安倍首相がどの程度圧勝できるかに移っている。

 こうした旧態依然とした派閥の力学から、“安倍3選”のメカニズムを読み解いていこう。