相次ぐ不祥事の発覚で厳しい局面に立たされている安倍首相。一般人の感覚では、心が折れてしまっても仕方がないくらいの苦境だろう。そんな状況の安倍首相は、悲願だった憲法改正や北朝鮮拉致被害者の帰国問題について今、どのように考えているのか。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏に聞いた。(取材・文/清談社)

何が何でも憲法改正
身を引く気は皆無

安倍首相は何が何でも憲法改正にこだわっています。
「憲法改正するためにはどうすればいいか」ーー常にここからものごとを考える安倍首相にとって、3選はマスト。自らの手で憲法改正したいという執念はまったく衰えていない Photo:Reuters/Aflo

 通常国会の閉会が近づくなか、永田町では“黒い霧”解散の強行や、内閣改造、安倍首相の3選出馬断念など、さまざまなウワサが飛び交っている。

「さまざまな話が出ていますが、現段階での安倍首相の最大の政治目標は、総裁3選以外にない。なぜなら3選できなければ政治家人生が“上がり”になってしまい、政治家としての念願が果たせないからです」(鈴木氏、以下同)

 そこまで安倍首相が3選にこだわるのは、鈴木氏によると「自身の手で憲法改正を実現したい」という強い思いがあるからだという。鈴木氏は、第2次安倍政権が発足する前の野党時代、「保守」をテーマに安倍氏にインタビューをした。その時の様子から憲法改正への姿勢が垣間見られる。

「当時、中国との外交について質問すると、厳しい言葉が返ってくるかと思えば、『自分は思想家ではなく政治家だから、中国とはウィン-ウィンの関係を目指す』と柔軟で現実的な回答で意外でした。一方、これと対照的なほど強いこだわりを覗かせたのが憲法改正。『政治家としての信念なので絶対やり遂げたい』と語っていました」

 当時の安倍首相は、第1次政権での失敗を引きずっていた。そのため「自分が矢面に立つのが難しい場合は、他の誰かを推し立ててでも、憲法改正をやり遂げたい」とまで語っていたという。

「安倍首相は『憲法改正をするためにどうすればよいか』ということを起点にものを考えます。だから、支持率が低いから身を引こうなどという発想はない。今は憲法改正に取り組むための3年の任期を得るために、ありとあらゆる手を使って3選の実現を目指していくでしょう」