昨年6月の幹部人事で、官邸の意向で抜擢された奥原正明農水次官が、この7月人事で続投したのもその布石と見る向きもある。奥原氏は、次官就任前に経産省に出向しており、「農業が産業化し、農水省がいらなくなるのが理想」との考えを持つという。
また「IT化に対応する情報省構想」は、菅義偉官房長官が熱心だといわれている。ただ、この「情報と通信の一体化」は、経産省が通商産業省時代から旧郵政省の統合をもくろんでいた長年の懸案でもあり、前回の省庁再編で、旧経済企画庁の仕事を取り込み“焼け太り”した経産省が、今井秘書官以下、官邸や内閣府の中枢を経産出身者で固めた安倍政権で、「2匹目のドジョウ」を狙っているという見方もある。
党行革本部の事務局長を務める衆院議員の鈴木馨祐氏によると、議論は今年の初めから進めてきたという。
鈴木氏は、「橋本内閣の省庁再編から20年が経過した。当初の狙いがどこまで実現したのか検証しようということだ。これからのことは、総裁選後の人事が決まってからだ」と話す。
では、なぜ総裁選の時期に中間報告を出したかと尋ねると、「それはあうんの呼吸だ」と言う。なにやら、まずは総裁選に合わせて提言を出すことに意味があったようだ。
「橋本行革」に比べ唐突感
与党や官邸にも慎重論
政治主導で急浮上したという点では、前回の「省庁再編」も同じだった。
1996年10月の総選挙で勝利して第2次内閣を発足させた直後、橋本首相は金融ビッグバンや財政構造改革といった「6大改革」をぶち上げた。その中に、省庁再編を柱にした行政改革も盛り込まれた。



