近大の強さを支えるのは、
「優秀な職員」と「幅広い研究」
9つの学部と短期大学の集まる近畿大学東大阪キャンパスの西門 Photo:DOL近畿大学はよく「マンモス私大」といわれる。たしかに、その規模や志願者数、学生数の多さ、研究内容の幅広さのどれを取っても「マンモス」に違いない。
なにしろ、大学だけで14学部48学科ある。キャンパスは6つ。現在500億円かけてリニューアルしている東大阪キャンパスのほか、医学部のある大阪狭山キャンパス、農学部のある奈良キャンパス、生物理工学部のある和歌山キャンパス、工学部のある広島キャンパス、産業理工学部のある福岡キャンパス。
そのほか、短期大学や大学院、バイオコークス研究所や水産研究所、附属中学・高校、附属幼稚園なども含めると、関連施設は北海道から奄美大島まで日本全国に広がっている。最初の1年間は関連施設を回ることに費やしたと言ったが、これだけ数があると、巡るだけでもそれなりの時間がかかった。
おかげさまで、2018年度一般入試(センター試験利用入試を含む)の志願者数はのべ15万人を突破した。公募制推薦入試まで含めると、志願者数は20万人を超え、2014年度入試から連続で志願者数全国1位を記録している。すべて私が主導したかのように言われているが、実際には職員が頑張った成果だと思っている。
手前みそになるけれども、近畿大学の職員は優秀だと思う。教員と職員、学生はどちらと多く接するかといえば職員ではないだろうか。職員の態度が悪いと、学生も寄りつかなくなってしまう。
改革は教員と職員、両輪が回らないと進まない。6年間で痛感したのは、教員の質を向上させることと同様に、職員のやる気を引き出すことがいかに大事かという点だ。教員だけが学生を育てるわけではない。職員がどれだけ生き生きと、学生のために働いているか。大学を評価する上で、これも非常に重要な視点の1つだと思う。
これはあまり認識されていないことだが、近畿大学の卒業生は経済界でも活躍している。平成30年3月時点の卒業生数は約53万人と全国有数の規模を誇る。「社長の出身大学ランキング」(「大学ランキング2019」)では西日本1位だ。
産学連携を1つのきっかけにして、卒業生ネットワークも強固になってきている。大学の研究成果をビジネスにも役立ててもらおうと開催している「研究シーズ発表会」に出席すると、名刺交換に来た方から「じつは私も近大出身です」と笑顔で挨拶されることが多くなった。
それでも、近大に対して「できの悪い大学」というイメージを持つ人は今でも多いかもしれない。学長になる以前、私は病院長・医学部長として大阪・狭山市にある附属病院にいたが、医学部の受験者を面接していると、それを痛感した。第一志望はほとんどおらず、たいていは、第二志望か第三志望で、ほかの大学に落ちたからうちに来たという学生だった。
これはなにも、学生が悪いわけではないだろう。ほかならぬ私自身、そういう世間的な価値観やイメージにとらわれていなかったといえば、ウソになる。認識が大きく変わったのは学長に就任してから。他学部の研究成果を知り、関連施設を巡るなどしながら、それまで気づかなかったこの大学の良さを知った。



