立教大学入学定員の厳格化で、都内の高校では、MARCH合格者数激減が相次ぐ。一部では、上智大学、青山学院大学、立教大学(写真)の新しい“くくり”も出現 Photo by Hirofumi Nishida

「卒業生からの再受験の相談が後を絶たない。仮面浪人が急増している」(東京都内の高校関係者)

 今、多くの大学、高校関係者が頭を抱えている。私立大学の入試難化に伴って人気のある有名大学の合格実績が低迷し、本命の大学に合格できなかった学生が急増しているためだ。

 理由は、2016年度から始まった「入学定員の厳格化」。一定の基準を超えて学生を多く入学させると、国からの私学助成金が交付されなくなる制度のことだ。

 基準となる入学定員充足率(入学定員に対する入学者の割合)がこれまでの1.2倍から、16年度は1.17倍に引き下げられ、17年度は1.14倍、18年度は1.1倍と年々厳しくなっている。この影響は凄まじく、私立の有名大学は軒並み、前年から1000人単位で合格者数を減らしている。

 とりわけ影響が大きいのが、“主要大学群”への進学実績を売りにしている高校だ。そこで“大学のくくり”を変えることで対象大学数を増やし、進学実績を高く見せる秘策を繰り出している。

 例えば、MARCH。同ランクの学習院大学のGを加え、GMARCHにするのは当然ながら、近年、新キャンパスなどで人気の東京農業大学、芝浦工業大学を加えた「GMARCH+東芝」というくくりにする高校もあるという。

 さらに、日東駒専には、東京都市大学や神奈川大学、文教大学、玉川大学、東京電機大学、工学院大学、武蔵野大学などを含めるケースが多いという。