『週刊ダイヤモンド』10月13日号の第1特集は「新宗教の寿命」です。新宗教の中でも代表的な教団である創価学会が近年、大きく変貌しています。日本の少子高齢化と人口減少を反映する形で会員数は縮小期に入ったとされており、戦前生まれの“カリスマ”喪失も迫っています。本特集から、“最強教団”創価学会のレポートを、ダイヤモンド・オンラインで特別公開します。

篠澤氏の除名が決定したことを知らせる創価学会埼玉県審査会からの通知書篠澤氏の除名が決定したことを知らせる創価学会埼玉県審査会からの通知書 Photo by takeshi Shigeishi

 「創価学会から除名する」──。埼玉県坂戸市の会社員、篠澤協司氏(52歳)の自宅に、学会からその「通知書」が届いたのは、昨年12月末のことだった。

 21歳のとき、幼なじみから「折伏(しゃくぶく)」を受けて学会に入会して以来、機関紙「聖教新聞」の啓蒙や公明党の選挙支援にまい進し、地域の幹部を歴任した熱心な会員だった。その篠澤氏にとって、除名は信仰を絶たれる「極刑」(篠澤氏)に値する衝撃的なものだ。

 そこに書かれていた処分の理由は、要するに篠澤氏が「執行部批判の言動を続けた」というものだ。

 本誌は、世間に公開されていない学会の「会員規程」を入手した。それによれば下図に示した通り、①~④に該当する行為があった場合、「会員を処分することができる」と規程されている。篠澤氏は①や③には該当せず、「執行部批判」が②や④の「ふさわしくない行為」に抵触したと判断されたもようだ。

 だが、そもそも、なぜ篠澤氏は批判を始めるに至ったか。きっかけは2014年の安倍政権による集団的自衛権行使容認の閣議決定だったという。