世界標準を目指すAI無人決済システム
「ワンダーレジ」はJCBの社員食堂にも設置され、実際に利用されている
同社の企業理念は「社会に新たな価値を創出し続ける」というもの。イノベーション事業は、まさにその理念を具現化するものだ。
「なぜレジ待ちに長蛇の列ができるのか」という素朴な疑問から、独自の人工知能(AI)による深層学習技術を利用した、無人のAI搭載レジスター「ワンダーレジ」を開発。大学生協で実証実験を重ね、「X–Tech Innovation 2017」で最優秀賞を受賞した。
18年には、その発展系であるAI無人決済システム「スーパーワンダーレジ」を開発。これは、選んだ商品をAIが把握して自動的に購入金額を算出、レジで会計待ちをすることなく、交通系電子マネーで短時間に決済を行えるというシステムで、10月からJR赤羽駅ホームで実証実験を行い、注目を集めている。店舗無人化への大きな一歩だ。
JR赤羽駅で行われたAI無人決済システム 「スーパーワンダーレジ」の実証実験の様子
「ワンダーレジは20年末までに3万台という販売目標があり、現在事業化に向けて体制を整えつつあります。イノベーション事業は、目先の利益を追わず、長期的な視点で、前人未到の新技術を開発、今までにないビジネスモデルを構築するもの。海外展開も視野に入れており、世界のスタンダードになることを目指しています」