ただ、日本人の食文化の中心には「米」があります。料理の添え物としてパンを食べる欧米人より、日本人は、炭水化物の摂取量が多いことは否定できません。

 かつての日本人は、炭水化物をたくさん食べても、畑仕事などのハードな肉体労働が主だったため、肥満も糖尿病もありませんでした。しかし現代は、労働はデスクワークが多くなったうえに、ちょっとした移動でも、電車や車を使うのが当たり前になっています。

 そのうえ、活動量は圧倒的に減っている一方、糖質食品は、昔より圧倒的に手軽に、安価に手に入るようになっています。

 定食屋さんでは「ご飯のお代わり無料」が当たり前ですし、コンビニやスーパーに行けば、100円程度でおにぎりが買えます。1日3食、肉だけを食べるより、おにぎり3つで食事を済ませるほうが、ずっと簡単なのです。

 さらに、現代の品種のお米は、玄米ですらもふっくらと柔らかくて甘く、食べやすい、ゆえに食べすぎやすくなっているということも、つけ加えておきましょう。

 糖質を敵視するのは間違っていますが、こうした背景も含めて考えると、炭水化物の摂り方には少し気をつけたほうがいいといえます。

 炭水化物をたくさん食べると、血糖値が急上昇します。

 したがって、炭水化物を減らし、その代わりに、腸内環境を改善する食物繊維(野菜やキノコ類)と、筋肉などの材料になるたんぱく質(肉類、魚類、豆類)を多くとる食事は、とくに糖尿病リスクの低減に効果的です。

 繰り返しになりますが、糖質をゼロに近づける必要はありません。ストイックに糖質をカットしたほうがいいのは、糖尿病がかなり深刻なレベルにまで進んでしまっている人だけです。

 血糖値が高めと指摘されたことがある人は、肉や魚、大豆製品などのおかずをしっかり食べる代わりに、お米は、お茶碗半分でやめておく。これだけでも十分、血糖値コントロールが可能になります。

 おかずをしっかり食べるといっても、肉や魚や大豆製品は、それほど一度に大量に食べられるものではありません。そのなかでご飯を減らせば、摂取エネルギーそのものも減ることになり、肥満の解消にもつながります。

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