肥満と糖尿病は、ほかの生活習慣病以上に、強く関係しています。肥満防止は糖尿病防止と地続き、ほぼイコールともいえるのです。書籍『薬を使わずに「生活習慣病」とサヨナラする法』を出版した総合内科専門医の秋津壽男氏が、糖尿病を防ぐ食べ方のコツを解説します。
肥満が糖尿病につながる
3つのメカニズム
肥満が糖尿病につながる要因には、3つのメカニズムが働きます。
1つは、肥満になると「インスリン抵抗性」になるということ。
食べ物が体内に入ると、体にブドウ糖が供給され、血糖値が高くなります。すると膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは血中の糖を適切に処理する役割を担っており、処理した結果として、血糖値が下がります。
ところが、肥満の人には、インスリンの感受性が低くなる「インスリン抵抗性」という症状が現れ、血中の糖が適切に処理されなくなり、血糖値が高い状態が続き、糖尿病になるのです。
2つめは、食べすぎによってインスリンの「受け手」が疲弊し、細胞への糖の取り込みに支障が起こることです。
食べすぎで血糖値が急激に上がり、そのたびにインスリンが大量に分泌される……ということが繰り返されると、各臓器は、つねに糖を取り込まなくてはいけなくなり、次第に疲弊していきます。