肝臓がん
肝臓がんはお酒を飲む人だけの問題ではなくなっています(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「肝臓がん」は男女ともに
罹患率、死亡率が下がり続けている

 日本では男女ともにがんの罹患(りかん)数や死亡数は上がり続けており、その主な原因は人口の構成比の高齢化にあるとされています。ただし高齢化の影響を除外するために年齢構成比を標準化した年齢調整罹患率や年齢調整死亡率を用いて評価すると、やはりほとんどのがんは、罹患率も死亡率も頭打ちか低下傾向を示していることがわかります。

 中でも肝臓がんは、男女ともに年齢調整罹患率と年齢調整死亡率が大きく低下していることから注目すべきがんの1つです。罹患率と死亡率低下の理由としては、肝臓がんの主原因であるB型肝炎やC型肝炎の予防や治療法の発達、および肝臓がんの治療技術の向上が挙げられます。しかし、減り続ける肝臓がんにおいても軽視できない点があり、注意が必要です。

部位別がん年齢罹患率の推移
参照:国立がん研究センターがん対策情報センター 拡大画像表示
部位別がん年齢死亡率の推移
参照:国立がん研究センターがん対策情報センター 拡大画像表示

再生能力が強い「忍耐の臓器」なのに
肝臓のがん化はなぜ起こる?

 肝臓は、腹部の右上(みぞおちの右側)に位置している体内で最も大きな臓器で、成人では質量1kg前後に達します。

 その働きとして主たるものは、代謝、解毒、胆汁の生成・排出の3つです。肝臓の行う代謝とは、胃や腸で分解・吸収された栄養素を体が利用しやすい物質に変えて貯蔵し必要に応じてそれらを分解・合成してエネルギーなどを作ることをいいます。解毒作用で代表的な働きは、アルコールやタンパクの消化吸収の際に生じるアンモニアなどの有害物質の無毒化です。胆汁は、脂肪の吸収やタンパクの分解に役立ち、コレステロールの排出にも影響します。