健康診断でもおなじみのとおり、肝臓の数値はGOT、GPT、γ-GTPの3種。GOT、GPT、γ-GTPが基準値以内で、γ-GTPが基準値を超えていたら「飲みすぎ」による脂肪肝のサインです。お酒が好きな人は特にγ-GTPを気にしますが、お酒を飲まなくてもγ-GTPが高い人も存在します。何を改善すればよいのでしょう。書籍『薬を使わずに「生活習慣病」とサヨナラする法』を出版した総合内科専門医の秋津壽男氏が解説します。
「食べすぎ、飲みすぎ」をやめると
脂肪肝は劇的に改善する
脂肪肝とは、肝臓に脂肪が過剰に溜まっているという症状。
肝臓の数値はGOT、GPT、γ-GTPの3つですが、なかでも脂肪肝の目安となるのはγ-GTP。基準値は、男性で70U/L以下、女性で40U/L以下です。
脂肪肝の原因は、「食べすぎ」か「飲みすぎ」かのどちらかしかありません。
裏を返せば、食べすぎと飲みすぎを控えれば、たいていは数ヵ月で肝臓の数値は改善してしまうということです。
現に私の患者さんにも、体重120キロの肥満体で脂肪肝もかなり進んでいたのが、2年ほどダイエットをがんばった結果、体重は58キロ、脂肪肝もすっかり治り、薬と完全に縁が切れた男性がいます。
血中の中性脂肪濃度が高くなると、脂肪として蓄積されてしまいます。
よく中性脂肪は「お財布のなかのお金」、内臓脂肪は「普通預金」、皮下脂肪は「定期預金」にたとえられます。