健康診断の結果でもっとも気になる数値の一つが、コレステロール。とくに「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロールは、生活習慣病の元凶として敵視されてきました。しかし、LDLコレステロールも体にとっては必要不可欠な要素。書籍『薬を使わずに「生活習慣病」とサヨナラする法』を出版した総合内科専門医の秋津壽男氏は、コレステロール値を過度に気にする必要はないと説きます。
「悪玉」も「善玉」も
コレステロールは体に必要
「血液ドロドロ」の象徴のようにして、ずっと敵視されてきたコレステロール。
厳密に言うと、血中のコレステロールには、「HDLコレステロール」と「LDLコレステロール」の2種類があります。
HDLコレステロールの基準値は男性で40~86mg/dl、女性で40~96mg/dl。
LDLコレステロールの基準値は男女ともに70~139mg/dl。
HDLコレステロールが基準値より低い場合、LDLコレステロールが基準値より高い場合にも、脂質異常症と診断されます。
とくに一般的に敵視されがちなのは、LDLコレステロールのほうでしょう。現にHDLコレステロールは「善玉」、LDLコレステロールは「悪玉」と呼ばれていますが、これらは体内で別々の役割を担っており、ともに体に必要なのです。