お酒を飲み始めると、ついつい飲みすぎてしまいがち――。適量を超える飲酒は肝臓を傷め、中性脂肪、脂肪肝、動脈硬化を促進させる毒となります。書籍『薬を使わずに「生活習慣病」とサヨナラする法』を出版した総合内科専門医の秋津壽男氏が、お酒との正しい付き合い方について解説します。
肝臓の数値は
「1週間の断酒」で正常になる
「中性脂肪が高い」
「脂肪肝の疑いがある」
健康診断で、このように指摘された人は、肥満対策と合わせて、飲酒習慣も見直していきましょう。
アルコールは、肝臓で最終的に酢酸に作りかえられて無害化されます。この途中で合成される「アセトアルデヒド」という物質が、血管を傷つけ、動脈硬化を進めると考えられています。
つまり、お酒の飲みすぎが、脂肪肝のみならず、動脈硬化から脳卒中や心筋梗塞を招く可能性もあるということです。
お酒が大好きという人は、飲み方を今すぐ見直すに越したことはありません。
まず、1週間ほど、お酒を断ってから、血液検査を受けてみてください。
「毎日、晩酌を欠かさない」という人には酷な話かもしれませんが、アルコールを断つビフォア&アフターの数値の変化が、その後の対策を左右します。
肝臓が、まだ本来の再生能力を保っていれば、γ-GTPは、1週間の断酒で十分、正常値にまで回復します。
それにともなって、中性脂肪もストンと下がるはずです。