アドビは今、デジタル技術を活用して一人一人の顧客を理解し、カスタマージャーニーのあらゆる段階で顧客体験を最適化する「Adobe Experience Platform」によって、顧客体験(CX)の世界に変革を起こそうとしている。そのビジョンについて、鈴木和典専務執行役員に聞いた。
日本企業の9割が
CXの向上を意識
──現在、さまざまな業界で「顧客体験(CX)向上」への関心が高まっています。
デジタル技術を活用したCXの向上は、企業にとって最も重要な経営課題です。なぜなら、顧客がスマートフォンやタブレット、パソコンなどのデジタルデバイスを介して製品やサービスを利用する際の一つ一つの体験の良しあしが、その製品やサービス、さらには企業への評価を大きく左右するからです。
──しかし、アドビが昨年実施した調査(*1)によれば、日本企業の約9割がCX向上を意識する一方で、具体的な取り組みに着手できているのは約4割にとどまっています。
実際にCX向上を経営課題として認識するお客さまから、「具体的にどう取り組めば良いのか分からず、着手できない」といったご相談を受けるケースが増えています。
着手できない理由として、「社内にデジタル活用を推進できる人材がいない」「必要なテクノロジーが整備されていない」といったことが挙げられます。
従来の業務システム導入とは異なり、デジタル技術を活用したCX向上は、製品や組織を横断した“攻め”の取り組みであることから、「どの部門が主導し、どこから予算を捻出すべきか」といった点で、悩む経営者も少なくないようです。
今日の企業に求められている人材は、デジタル技術によってCXに変革を起こし、ビジネスの成長をけん引する「Experience Makers」(体験をつくる人)です。
アドビは現在、先進的かつ高度なテクノロジーを備えた製品群とコンサルティングサービス、人材育成支援によって顧客企業におけるExperience Makersの輩出を促進し、優れたCXの実現を支援しています。