アドビがビジネスモデルをクラウド化・サブスクリプション化する大変革を実行したことに伴い、PDFを作成・編集するためのソフトウエア「Acrobat(アクロバット)」もクラウド型に進化した。組織の生産性やユーザーエクスペリエンス向上のためのソリューションとして、グローバルで導入が進んでいる。
アドビが開発したPDF(Portable Document Format)は、ソフトウエア、ハードウエア、オペレーティングシステムを問わず、デジタル文書を確実に表示・交換することができる世界的な標準フォーマットだ。
1992年に誕生したPDFは現在、国際標準化機構(ISO)により管理されているオープンスタンダードの一つとなっており、無料で使えるPDFの閲覧ソフト「Acrobat Reader」はオンビジネス、オフビジネスにかかわらず世界中で広く利用されている。
「PDFをはじめとしたAcrobat関連製品が開発されたのは、パソコンを使う人同士が簡単にデジタル文書をやりとりできるようにするためです。その原則は30年たった現在も変わりません。ただ、人々が共有するコンテンツや使用するデバイスが多様化する中で、われわれはイノベーションを加速させる必要がありました」。こう話すのは、Adobe Document Cloud プロダクトマーケティング担当のマーク・グリリ氏だ。
アドビ
Adobe Document Cloud
プロダクトマーケティング担当
バイスプレジデント
アドビがさまざまな製品のクラウド化、サブスクリプション化を進める中で、PDFの作成・編集ソフトであるAcrobatもクラウド製品群の一つ「Document Cloud」(以下、DC)として大きく進化した。DCでは、PDFの作成・編集、電子サイン、スキャンなど、業務プロセスや顧客との取引プロセスなどのデジタル化に必要な機能を、サブスクリプションサービスとして提供している。