クリエイター向けソフトで業界をけん引するアドビが、“クリエイティブの解放”の旗印の下に数々の新ツールを投入している。同社が力を入れるこの取り組みは、少子化に悩むわが国のビジネス競争力を高めていく上でも大きな意義を持ちそうだ。
アドビは2019年12月、恒例のクリエイティブイベント「Adobe MAX Japan 2019」をパシフィコ横浜で開催した。さまざまな領域のクリエイターや企業の広告・マーケティング担当者の他、デジタルトランスフォーメーションによる顧客接点の強化・拡大に取り組む担当者、そして学生などが参加し、過去最大規模で催された。
同イベントの今回のテーマは「Creativity for All:すべての人に『つくる力』を」。基調講演に登壇したアドビ日本法人社長のジェームズ・マクリディ氏は、クリエイティブをめぐる今日の状況を次のように指摘した。
「今、クリエイティブ業界をはじめ、さまざまな業界のリーダーが口をそろえるのが『ビジネスを拡大していく上で、クリエイティブがますます重要になってきた』ということです」
「Adobe MAX Japan 2019」は、熱狂的なクリエイターの他、企業でマーケティングやデジタル変革に取り組む担当者などが参加し、過去最大規模で開催された
実際、多くの企業ではスマートフォンやタブレットの浸透による顧客接点の拡大やコンテンツの多様化に伴って、広告などクリエイティブ制作の量が飛躍的に増えており、関連組織の拡充を急いでいる。クリエイティブに関わる社内外の人材のコラボレーションをいかに円滑化し、生産性や質を高めるかも大きな課題としてクローズアップされている。