デロイト トーマツ グループは、CxO(経営幹部)の課題解決に特化したイノベーション創発施設「Deloitte Greenhouse」(デロイト グリーンハウス)を東京・丸の内に開設した。日本を含め世界25ヵ国で展開されている同施設は、従来の方法では打開の見込めない経営課題に対し、ブレークスルー(突破口)を見いだすためのハード面、ソフト面の仕掛けが随所に施されている。
海外24ヵ国の知見と実績を生かした
インタラクティブなセッションを実施
デロイト トーマツ グループの旗艦オフィスが入る「丸の内二重橋ビルディング」(東京都千代田区)に約1000平方メートルの規模を持つ「Deloitte Greenhouse」(以下、Greenhouse)が開設されたのは、今年6月のこと。竹林をイメージしたエントランス「Mind-changing tunnel」(マインド・チェンジング・トンネル)をくぐり抜けると、茶道の精神を示す「和敬清寂」をデザインコンセプトに取り入れた非日常的な空間が広がる。
Greenhouseリーダー、パートナー
桐原 祐一郎氏
「和のイメージを意識しながら、空間演出には細部までこだわりました。CxOの方々にお越しいただいたときに、日々のビジネスを離れた落ち着いた空間の中で、無限のひらめきと活発な議論を誘発することを目指したからです」。こう話すのは、Greenhouseの運営責任者である、デロイト トーマツ グループ(以下、デロイト トーマツ)の桐原祐一郎氏だ。
設立の目的について、桐原氏は次のように説明する。
「Greenhouseは、従来の方法では打開が困難な経営課題に対して、ブレークスルーを見いだすためのイノベーション創発施設です。Greenhouseで行われるセッションには、監査、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、リスクアドバイザリー、税務・法務などデロイト トーマツの各プロフェッショナルが関わり、企業の経営課題に対する解決策の策定から実行までを一貫してサポートします」
Greenhouseは、海外24ヵ国のデロイトのオフィスで展開されており、そこで蓄積された知見が東京のGreenhouseにも生かされている。例えば、Greenhouseで行われるセッションは、行動科学や社会心理学などの学術的成果に加え、各国で行われているセッションでその効果を実証したフレームワークに基づいて実施される。
また、全てのセッションはデロイト トーマツのメンバーと参加するCxOとのインタラクティブ(双方向的)な対話に基づいて進行される。セッションの進行役は、デロイト グローバル共通の認定を受けたファシリテーターが務め、議論の内容を絵と文字で可視化する「グラフィック・ファシリテーション」などの手法も用いながら、対話の活性化や相互理解を促していく。
大画面に流れるたくさんの画像から、直感的に好きなものを選んで体感できるタッチパネルサイネージなど最新のテクノロジーも、もちろん取り入れている。企業が持つデータをデロイト トーマツのデータサイエンティストがその場で分析し、その結果をマルチビジョンに映しながら議論することも可能だ。