イノベーション推進組織の優先領域や課題を洗い出し
具体的なアクションプランに落とし込む
先述した通り、調査・分析会社大手の米ALMインテリジェンスは、2017年と18年にモニター デロイトを「イノベーション戦略コンサルティング分野におけるグローバルリーダー」と評価しており、イノベーション支援はデロイトが世界的に強みを発揮しているサービスラインの一つとなっている。
デロイト トーマツが主宰するInnovation Labでは、企業の目的に応じて内容や期間をカスタマイズ可能なセッションを実施する。例えば、企業においてイノベーション戦略をリードするエグゼクティブ層向けの「Innovation Leadership Lab(イノベーション・リーダーシップラボ)」では、右下の図のような流れでセッションを進めていく。
Deloitte Greenhouseで実施されるセッションは参加者が主役であり、デロイト トーマツのメンバーは必要に応じて最適なベストプラクティスを紹介したり、アイデアや知見を提供したりしながら議論をファシリテート(促進)する役割に徹する。
「私たちが一方的に説明することはしません。イノベーションリーダーが交代するなど何らかのステップチェンジが必要なタイミングなどでInnovation Labのセッションを通じて、その企業ならではのアクションプランを策定していただければと思います」(藤井氏)。
そのほか、イノベーション組織や新規事業部門の有効性、課題を可視化し、社内課題提起に落とし込む組織再設計のためのセッション、イノベーション組織のマネージャーやスタッフを対象にイノベーションを創出するためのアプローチを実地体験するセッションなど、多様な基本プログラムが用意されている。
デロイト トーマツは、モニター デロイト以外にも、大企業向けの新規事業創造支援や国内外のベンチャー企業支援などを行うデロイト トーマツ ベンチャーサポート、デザインシンキングを活用したイノベーション戦略コンサルティングを専門とする米Doblin(ドブリン)、クライアントとの共創により製品・サービスの迅速な市場投入を推進する英MARKETGRAVITY(マーケットグラビティ)などのプロフェッショナルファームや世界のスタートアップとテクノロジー情報を一元的に検索・分析できるデジタルプラットフォーム「TechHarbor」を有している。こうした多様なメンバーもセッションに参加したり、知見を提供したりする。
自社のイノベーションパイプラインを改めて評価し直したい、イノベーション組織をもっと活性化させたい、新たにイノベーションリーダーに就任するに際して自らのアクションプランを立てたいといった企業やエグゼクティブ層にとって、Innovation Labは貴重な自己革新の機会を提供してくれそうだ。
Deloitte Greenhouse
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/gh/greenhouse.html