日中関係を語るとき、「両国の相互理解」が大事だとよく言われる。日中両国は文化・習慣に共通点があるので、すぐ理解できるだろうと考えがちだが、必ずしもそうでない。たとえば、中国人はメンツを重視するが、日本人はそれについて軽く考えがちで、思わぬところで中国人のメンツをつぶしてしまっていることもあるため、相互理解は容易なことではない。

 友好ムードが強まっているときは、文化の違いから来るトラブルはさほど問題にはならないが、そうでないときは、些細なことで「中国嫌い」「日本嫌い」が生まれることも否定できない。

 以前の記事「愛国心より日本製を選ぶ中国人の爆買い心理」で言及した「爆買い」を例にとると、友好ムードのときは「たくさんの中国人が来てくれてありがたい」「中国人の習慣は人間関係を大事にするからね」という見方になるが、そうでないと、「中国人は金にものを言わせて何でも買う気か」といった見方になる。だから、友好ムードは相互理解にとって非常に重要だ。

「民でもって官を促す」
日本人による情報発信の重要性

 今、中国の若い人たちは、日本のもの・中国のものに関係なく、いいものであれば何でも受け入れる傾向にあり、日本に対するイメージも徐々に「新時代」が主流になっていくのではないかと思う。また、「ネット先住民」と呼ばれる彼らはネット上で様々な情報に触れるだけでなく、情報発信もしている。

 今の中国は「敏感な話題」以外は比較的自由に情報発信できるので、両国の相互理解に資する情報を発信できる環境にある。日本滞在の経験がある中国人、中国滞在の経験がある日本人が積極的に情報発信していくことが、「新時代」の「民でもって官を促す」にとって、必要なことだと筆者は考える。

(フリーライター 吉田陽介)

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