GDP25%減の試算も、日本経済は「復活の日」を迎えられるかコロナ禍の痛手を乗り越え、日本が夜明けを迎えられるのはいつか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

南極を除く全大陸に感染拡大
小説『復活の日』に似た展開

 新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。当初の中国を中心とした感染拡大が世界的なものとなり、2月26日にはブラジルで感染が確認され、南極を除く全大陸に感染が拡大した。

 小松左京の小説『復活の日』(1964年発表)では、猛烈な毒性を持つ新型ウイルスが世界的に蔓延し、人類、哺乳類などがほぼ死滅するが、ウイルスが低温では毒性を持たないことから南極大陸にいた人類だけが生き延びた(小説ではその後、世界は核攻撃の応酬を繰り広げる)。56年後を生きる我々が、同じ状況を迎えないことを祈りたい。

 足元では、新型コロナウイルスの感染者数や感染症による死亡者数の増加が続いているほか、感染拡大に伴う経済活動の落ち込みが著しい。経済の落ち込みはリーマン・ショック時を上回り、1920年代の世界恐慌以来の大きさになるとの見通しが増えている。感染拡大に続き、経済破綻が追い打ちをかけるとの見方も出ている。

 国際連合は4月16日のレポートで、感染拡大による世界経済の縮小により、全世界で数千万人が貧困に陥る可能性を指摘している。

 各国・地域の動きをみると、中国の2020年1-3月期の実質成長率は、前年比マイナス6.8%と、四半期ベースでは統計を遡れる1992年以降で初のマイナス成長を記録した。暦年ベースでみても、落ち込み幅は「大躍進政策」の失敗で大きく落ち込んだとされる1961年(成長率はマイナス27%)以来の大きさとなった。米国、ユーロ圏のマイナス成長も確認されている。