閑散とするウォール街
世界経済は戦後最大の試練に直面している。日本に残された対策とは Photo:Anadolu Agency/gettyimages

中国は初のマイナス成長へ
米国では失業率30%の声も

 新型肺炎は世界中で感染拡大に歯止めがかからない。各国で商業施設の営業停止や外出禁止令、渡航制限が発令され、感染の抑え込みと引き換えに経済活動を停止させている。

 1月から2月にかけて都市封鎖を行った中国では、2月の国家統計局サービス業PMIが54.1から29.6へと大きく落ち込んだ。その後に発表された1-2月の小売売上高は、前年同期比-20.5%、固定資産投資は同-24.5%と、ともに過去最大の落ち込みとなった。中国はリーマンショックの起こった2008年から2009年にかけての金融危機の際もプラス成長を維持したが、今年1-3月期は1992年の統計開始以来初の前年比マイナス成長となるのがほぼ確実だ。

 欧米各国も中国の後を追っている。新型肺炎の感染者数、死者数ともに中国を上回ったイタリア、スペインでは、徹底した外出禁止令が敷かれており、英国でも経済活動の停滞が顕著になっている。米国でも、ほとんどの州で外出禁止令や自粛要請が出されている。

 3月のユーロ圏サービス業PMIは、前月の52.6から28.4へと大きく落ち込んだ。内訳では、ドイツが34.5、フランスが29.0となっており、速報の出ないイタリア、スペインなどではより急激に落ち込んでいると推測される。ユーロ圏も今後、リーマンショックの起こった2009年1-3月期(前期比-3.2%)を超える、統合以来史上最悪のマイナス成長に陥ると見られる。

 米国でも3月3週目の新規失業保険申請件数が、328万件と歴史的な急増となった。4-6月期の実質GDP成長率は、リーマンショック時の2008年10-12月期(前期比年率-8.4%)を超える落ち込みとなるだろう。セントルイス連銀のブラード総裁は、米国で失業率が大恐慌時を上回る30%まで上昇し、4-6月期の実質GDP成長率が前期比-50%となる可能性を指摘している。今年前半の世界経済は、戦後最悪のマイナス成長に陥るだろう。