世界各国で経済活動の再開へと舵が切られようとする中、緊急事態宣言が全国に広がる日本は、後れをとっているようにも見える(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 世界各国での新型コロナウイルス対策は、感染抑制から経済活動の再開へと舵が切られようとしている。一方、日本では緊急事態宣言の対象が全国に広がるなど、中国や欧米に後れをとっているようにも見える。しかし、ここで焦ってはいけない。

 新型コロナウイルスとの戦いでは、「経済重視」という建前を封印しなければならない。感染の抑制と経済の活性化を同時に達成できる政策などないからだ。景気に与える悪影響を理由に感染阻止対策の手を緩めていては、新型コロナウイルスとの戦いには勝てない。また、経済に与えるダメージをV字回復で癒すことはできない。雇用や生活への不安を防ぐためには、社会保障政策としての救済が必要だ。

転機を迎える新型コロナとの戦い
日本だけが経済活動自粛を強化

 新型コロナウイルスとの戦いは転機を迎えようとしている。感染の拡大を抑え込むために経済活動を制限してきたが、新規感染者数が減少に転じた国から、徐々に経済活動を再開する段階となってきた。

 最初に感染が広がった中国は、武漢封鎖によって中国全土への感染の広がりを封じ込め、経済活動を徐々に再開させている。欧州は、世界全体の感染者の4割近くを占めるなど流行の中心となったが、感染者や死亡者の数が減少傾向を続け、経済活動を再開し始めている。米国は、感染者数、死亡者数ともに世界一となってしまったが、トランプ大統領は新規感染者数が頭打ちになっているこの機を捉えて、経済活動を再開する方針を打ち出している。

 こうした経済活動再開の流れの中で、日本では緊急事態宣言の対象を東京など7都府県から全国に広げるなど、自粛が強化されている。このままでは、自粛の期限となっているゴールデンウィーク明け以降も、経済活動の自粛が続きそうな状況だ。