アフガン経済崩壊、交渉迫られるタリバンPhoto:Anadolu Agency/gettyimages

 アフガニスタンの新たな支配者となったタリバンは、本格的な軍事的抵抗がなくなった今、経済の破綻という新たな脅威と格闘している。経済問題はタリバンの統治に向けた新たな課題として深刻化する可能性があり、すでに権力の共有を迫る圧力となっている。

 アシュラフ・ガニ大統領と大半の閣僚が8月15日に首都カブールを脱出して以来、アフガンに正式な政府は存在しない。それから8日目を迎えても銀行や両替所は閉まったままで、生活必需品の価格は急騰、経済活動は急停止した。

「人々はお金を持っているが、それは銀行に預けてある。つまり彼らの手元にはもうお金がない。現金を手に入れるのは困難だ」と、カブール在住で建設会社の経理を担当していたバヒール氏は話す。「そのため、カブールではすべての商売が停止状態になっている」