1・セラーとは、2・セラーになる準備、3・メインセラーとの契約、4・商品管理と顧客管理、5・レビューアー集め、6・メインセラーへの報告――だ。大した内容は書かれていない。自己流ではじめたとしても、2、3日もやれば、把握できるような浅い内容だ。

 サブセラーとしての、1件当たりの手数料が500円とするなら、このマニュアルは、60件分の仕事に相当する金額なのだ。

 300ページほどのノンフィクションの書籍を書き、その書籍が1500円前後で販売されて、そこから一定の印税を得て生活している私からすると、詐欺としか思えないような、唾棄すべきマニュアルだった。

 別れる間際に、桜井は興味深い話を聞かせてくれた。

 「マニュアルを売ってくれた人から持ちかけられているんですけれど、LINEで知り合ったレビューアーにこのマニュアルを売って、サブセラーに転向しないかと持ちかけよう、というのです。3万円で売れると、マニュアルを作った人には1万円が戻ってきて、残りの2万円は、かかわった人数で割って自分たちの収入にするという話です。マニュアルを売る人が、枝分かれして、どんどん売っていけば、それだけで結構な収入になるんですよ」と無邪気に話す。

 彼の話を正確に理解するため、私は、マニュアルの制作者を頂点としたピラミッドを描き、お金の流れを表す棒線を下から上へと書き足し、これでいいのか、と桜井に確認した。

 「その通りです」と彼は答える。

 ふーん。それは、法律の素人である私が聞いてもアウトだね。

 古典的なねずみ講で、ねずみ講防止法(無限連鎖講の防止に関する法律)に引っかかるよ。

 どうも、アマゾンのレビューには、魑魅魍魎(ちみもうりょう)を吸い寄せる不可思議な磁力があるようだ。

筆者が入手したマニュアル筆者が入手したマニュアル 拡大画像表示

※敬称略。年齢や肩書きは取材当時のまま。

横田増生さんが2020年米国大統領選において、トランプ陣営に潜入取材を敢行!コロナ禍で揺れ動く米国をレポートした新刊が、21年内に小学館から発売予定です。
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