ヤマトのアマゾンの荷物Photo:Diamond

ヤマト運輸による多額の未払いサービス残業代が発覚した2017年以降、アマゾンは配送戦略を変えざるを得なくなった。私はヤマトのドライバーの助手席に乗り、潜入取材を敢行。ドライバーは「アマゾンの荷物ですか?正直言って、勘弁してほしいですね。アマゾンで注文するお客さん全体にいえるんですけれど、自分で指定した時間にいないことも平気ですし、その後で帰ってくると、30分しか家にいないのですぐに届けてほしい、という無茶な人もいます。タダで何度も配達してもらっても、それが当たり前という気持ちがあるんじゃないですかね」と言い放った。
※本稿は、横田増生著『潜入ルポamazon帝国』(小学館)の一部を再編集したものです。

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アマゾンやZOZO、ジャパネット
荷台は通販の箱だらけ

 2017年12月中旬の朝9時。首都圏にあるコンビニの前でヤマト運輸のセールスドライバーと待ち合わせた。

 近くの宅急便センターで午前中の荷物を積み込んできた小谷厚司(仮名)が運転する集配車両が、9時少し前にコンビニに現れた。

 荷台の積み荷を見せてもらうと、15個以上あるアマゾンの箱や、ZOZOTOWNやジャパネットたかた、北の味覚やショップジャパンなどの通販の箱に加え、炭酸水やウーロン茶などの重量物も交じっていた。この日の午前、持ち出した荷物111個のうち、アマゾンの割合は1割強だった。加えて、車両の左右についた冷蔵庫と冷凍庫にもクール宅急便の荷物が積んであった。

「12月にしては、多くない荷物量ですね。お歳暮の配達がはじまる12月1日、2日には、朝200個以上を積んで、出発することも少なくありませんから」と小谷は笑う。