航空会社が30余年ぶりの規模となるパイロット採用に乗り出そうとしている。新型コロナウイルス流行下で人員を削減したが、旅行需要の急回復に伴って現場の負担が増しているため、人員補充を目指す。今年は旅行客が一斉に市場に戻ってきた。国境が再開し、企業も出張を再開したことで、この好況は続くとみられている。手元資金を確保するため数千人のパイロットに早期退職を促した航空業界が、今や未曽有の採用ブームを迎えている。職業パイロット向けにキャリア・財務関連の助言を行っている「FAPA.aero」によると、米国の大手航空会社は年内に約4200人、来年に9000人超を採用する見通しだ。実現すれば、パイロットの年間採用者数としては30余年ぶりの規模になるという。航空会社がパイロットの採用を急ピッチで進めた2019年には、米業界大手の採用人数は約5000人だった。