思い出話ではなく、新鮮な今の感性を分け合う

相手だけではなく僕自身も、絶えず変化をしています。

昔の友人と20年ぶりの再会を果たしたところで、お互いに「別人」になっている。

「もう20年の付き合いになるね」と言われたって、「だから何なの?」という気分です。

過去の思い出話で今の時間を埋めるのも、もったいない。

新鮮な今の感性を分け合って、新たな友人としてまた出会えばいい。

人間関係は熟すものじゃない。

何度でもフレッシュに生まれ変われるものなのです。

先日も、寺田倉庫オーナー家二代目の寺田保信さんと昼食をとりながら、「もう50年の付き合いになるね」「お互いによく我慢をしたからね」と冗談を言い合ったものでした。

彼もまた、出会うたびに新しい才能を僕に見せてくれる素晴らしい友人の一人です。

(本原稿は、中野善壽著 『孤独からはじめよう』から一部抜粋・改変したものです)