子どもたちの姿に学ぶ
たった一人でも、新しい世界で生きることはできるんだ─。
この体感が、僕の孤独力を養ったような気がします。
現に、大人になって仕事を始めてからも、行ったことのない街や国で新しいことを始めることになんの抵抗もなく、むしろ新しい自分に出会う楽しみにワクワクしながら、飛び出していました。
今の世の中を生きる子どもたちの姿を見ても、人間が本来持つ適応力の逞しさに気づかされることがあります。
新型コロナウイルスの影響で、「新しい生活様式によって、子どもたちの心身に悪影響が……」と慌てているのは大人たちだけなのではないかと、僕は感じるのです。
なぜなら、子どもたちには「こうあるべき」と参考にするだけの過去がない。ただ目の前に広がる“今”を生きているから。
子どもの感性と適応力に学べば、人はどんな状況でも、孤独から始められるはずです。
(本原稿は、中野善壽著 『孤独からはじめよう』から一部抜粋・改変したものです)