人は変われる。幸せになれる。ひとりの例外もなく、いまこの瞬間から――! その極意を論じたアルフレッド・アドラーの心理学をわかりやすく哲人と青年の対話篇形式でまとめられ、シリーズ世界累計1000万部の大ベストセラーとなった『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』。その共著者のひとりであり、日本におけるアドラー心理学の第一人者でもある哲学者・岸見一郎さんに、「人生を学ぶための55冊」をセレクトしてもらいました。選書テーマの背景や、55冊のリストの一部をご紹介します。

【誰にも相談できない悩み】へのヒントが見つかる「人生を学ぶための本」/『嫌われる勇気』著者・岸見一郎氏選
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人間が真に人間らしくあるために必要な
教養を得られる55冊をセレクト

【誰にも相談できない悩み】へのヒントが見つかる「人生を学ぶための本」/『嫌われる勇気』著者・岸見一郎氏選岸見一郎(きしみ・いちろう)さん
哲学者

専門の哲学(西洋古代哲学、特にプラトン哲学)と並行して、1989年からアドラー心理学を研究。全世界で累計発行部数1000万部を超え、アドラー心理学の新しい古典となった『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』(古賀史健氏との共著)執筆後は、アドラーが生前そうであったように、世界をより善いところとするため、国内外で多くの“青年”に対して精力的に講演・カウンセリング活動を行う。著・訳書多数。

 人はなぜ生きるのか――? 人生に迷い、思い悩んだとき、1冊の本が心のよりどころとなってくれることがあります。悩みを消し去り、幸せに生きるための処方箋としてアドラー心理学の思想をわかりやすくまとめた『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』の著者で哲学者の岸見一郎さんに、「救い」を得られる本を55冊選んでもらいました。

●「選書テーマ」に込めた思いを、岸見一郎さんから:
 人が本を読む理由は様々です。娯楽や知識を身につけるために読む人は多いでしょうが、人はなぜ生きるのか、生きる意味は何か、という問いへの答えを求めて読む人もいます。苦境に陥った時、たとえ誰にも相談できなくても、本を読むことが救いになります。

 生きる意味については古来哲学者が考えてきましたが、私の作ったブックリストには幅広いジャンルの本が含まれています。小説など文学書を多くあげているのは、人生で自分が経験できることには限りがあり、他者の人生を追体験することから学べることは多いからです。

 三木清が次のようにいっています。

「教養は、人間が真に人間らしくなるために必要な知識である」(「現代教養の困難」)

 何か実用的な目的には資することがないかもしれませんが、どの本を読んでも人生が違ったふうに見えてくるでしょう。

55冊のうちの3冊と選書理由を紹介!

 では、選書いただいた55冊の一部と、その理由・背景解説についてご紹介しましょう(実際のブックリストには、書籍ごとの解説は掲載されていません)。

『愛するということ』(エーリッヒ・フロム著、鈴木晶訳、紀伊国屋書店)
フロムは、相手さえいれば恋愛は成就すると考えるのは間違いであり、愛することは技術であるという。技術のない愛は無力なのである。愛についてフロムが言っていることは仕事も含め、対人関係全般に当てはまる。

『世界の果て、彼女』(キム・ヨンス著、呉 永雅訳、クオン)
プラトンは、火が燃え移ってきて別の光明が点ぜられるように、知は人から人へ突如として飛び火するといっている。キム・ヨンスが外にある炎に触発され内なる炎を燃え上がらせて書いた小説から私の心に愛と希望が飛び火した。

『人生論ノート』(三木清著、新潮社)
三木は人生論という形で、死、懐疑、偽善などについて論じているが、言葉の端々に、成功するためには自分のことしか考えない風潮への批判が込められている。働くことの意味について再考を促される。

 以上、いかがでしたか?

 このブックリストは、『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』の副読本として読んでいただくにも最適です。哲学者である岸見さんが選んだ書籍のテーマは、「愛」や「家族」「仕事」「政治」など多岐にわたります。全55冊のブックリストから、人生の悩みへのヒントを探ってください。岸見さんの思考の源泉にも触れられる貴重な機会です。

『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』(岸見一郎・古賀史健、ダイヤモンド社)
日本発の“勇気の二部作”は、全世界で累計発行部数1000万部を突破する大ベストセラーに! すべての人が幸せになれるシンプルかつ具体的な「処方箋」とは? フロイト、ユングと並ぶ心理学三大巨匠と呼ばれるアドラーの思想について、哲人と青年の対話篇形式でわかりやすく解き明かしていきます。