ユーロ圏の成長率が昨年、米中の2強を抜いた。新型コロナウイルス禍の影響で、いかに世界経済の成長パターンに狂いが生じたかを改めて印象づける出来事だ。  欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が1月31日公表した昨年10-12月期のユーロ圏域内総生産(GDP)は年率0.5%増に鈍化した。エネルギー価格の上昇が家計支出を下押した。ただ、通年では3.5%増となり、伸びは中国と米国の双方を上回った。  これは異例の事態だ。過去数十年にわたり、世界経済の三大エンジンのランキングは極めて安定しており、中国がトップ、その後を米国、ユーロ圏が続く構図が定着していた。