東京海上日動Photo by Yasuo Katatae

新型コロナウイルス禍に円安、資源・原材料の高騰、半導体不足など、日本企業にいくつもの試練が今もなお襲いかかっている。その中で企業によって業績の明暗が分かれているが、格差の要因は何なのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は東京海上ホールディングス、SOMPOホールディングス、MS&ADインシュアランスグループホールディングスの「損害保険」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

損害保険3社が増収も
大幅な減益で苦況

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の損害保険業界の3社。対象期間は2022年8~12月期の直近四半期(3社の対象期間はいずれも22年10~12月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・東京海上ホールディングス
 増収率:21.4%(四半期の経常収益1兆8044億円)
・SOMPOホールディングス
 増収率:15.0%(四半期の経常収益1兆1240億円)
・MS&ADインシュアランスグループホールディングス
 増収率:0.8%(四半期の経常収益1兆1961億円)

 損害保険業界の主要3社はいずれも前年同期比で増収となり、東京海上ホールディングスとSOMPOホールディングスは2桁増収だった。一方、MS&ADインシュアランスグループホールディングスは1%増にも満たない微増にとどまった。

 また、利益面では3社とも前年同期比で大幅な減益となっていている。

 次ページでは、各社の増収率の推移を紹介するとともに、増収減益の要因を解説する。